【特集】6倍に跳ね上がる固定資産税、地震による倒壊リスク…深刻化する空き家問題 でも実は空き家は「お宝」?、“訳あり”不動産買取のAlbaLinkに聞く<上・空き家のリスク>(再掲載)

直近の記事を再掲載します。

初回掲載:2024年2月26日

 

【動画】AlbaLink河田憲二代表取締役へのインタビュー映像も公開中


全国の空き家数は約848万9,000戸(財務省 平成30年住宅・土地統計調査)。5年前の調査のため、現在は1,000万戸を超える可能性もある。新潟県内では昨2023年、新潟市が初の略式代執行に着手し、市内の空き家を解体したことでも話題となった。

「今年(2024年)が転換期かもしれない」と話すのは、空き家などの“訳あり”不動産をメインに取り扱う株式会社AlbaLink(アルバリンク 東京都江東区)営業・野崎祐さん。空き家を取り巻く現状やリスク、そして活用法などについて同社へ、本県・新潟の事例も交えながら聞いた。

 

目次

<上>
○なかなか手放せない「一生物」の家
○物理的にも経済的にも高まるリスク

<下>
○投資対象となりえる空き家
○空き家問題、今年が転換期?

 

なかなか手放せない「一生物」の家

株式会社AlbaLinkで全国の空き家事情を見てきた野崎祐さん

アルバリンクに寄せられる大半は「空き家を相続した」人の相談であるという。特に地方の物件の場合、相続人は都市部へ出ているが、地元に残っていた両親が施設へ入るなどして実家が空き家になってしまうパターンが多い。「自分(相続人)は自宅があるので実家には住まない」が、ほかに活用法もないため持て余してしまう状況だ。

しかし、一般的な不動産業者は採算の取りづらい築古戸建ての買い取りを断ることも多い。また「思い出のある実家を売ろうと思っても、タダ同然のような二束三文の値をつけられてしまうということもある。その価格とのギャップで、踏ん切りがつかない人も多いのでは」(野崎さん)。

ほかにも、「手続きが面倒」や「どうしたらいいのか分からない」という指摘、さらに「これまで空き家を放置していても特に問題が起きなかったから」という声も聞いてきたという。しかし、野崎さんは「住宅は人が住まなくなり風通しが悪くなると、急速に劣化が進む。年々リスクが高まるので、早めに処分を検討したほうが良い」と警鐘を鳴らす。

 

物理的にも経済的にも高まるリスク

野崎さんは最近相談を受けたという、新潟の空き家案件について話した。同物件は相続人が分からず、結局は、元の所持者からとても遠い親戚にあたる人物が自治体からの要請を受ける事態になったという。「その物件は外壁が剥がれていて、突風が吹けば飛んでいきそうな状態だった。今後は特に、年明けに震災(令和6年能登半島地震)があったので、行政もさらに厳しくアプローチしてくると考えられる」。

倒壊や火災、不審者が侵入するなど物理的リスクは大きい。当然、実際に近隣住民などへ被害が出てしまうと高額な賠償をすることにもなりかねない。

もっと卑近な話をすれば税金の問題もある。倒壊などの危険性のある空き家、いわゆる「特定空き家」に指定された物件は固定資産税が6倍に増額されるが、2023年12月以降は「管理不全空き家(「特定空き家」になりそうな物件)」にまでその範囲が拡大された。

それでも放置を続けた先に待つのは行政による介入である。「行政代執行が行われた場合、解体費用は空き家の所有者へ請求されるが、特に今は物価高騰の時代で解体費用も上がっている。木造建築であれば200万円、300万円、さらにアスベストなどが使われていると、さらに費用がかさむ」(同)。

なお、略式代執行は空き家の所有者が分からない場合に行政が費用を肩代わりするもの。所有者が判明すればそちらへ請求が行くとはいえ、空き家の解体は行政にとっても頭の痛い話だ(写真は新潟市役所)

 

続きはこちら→ <下・投資対象になる築古戸建て>

 

【関連リンク】
AlbaLink webサイト

 

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