【特集】6倍に跳ね上がる固定資産税、地震による倒壊リスク…深刻化する空き家問題 でも実は空き家は「お宝」?、“訳あり”不動産買取のAlbaLinkに聞く<下・投資対象になる築古戸建て>(再掲載)
直近の記事を再掲載します。
初回掲載:2024年2月26日
【動画】AlbaLink河田憲二代表取締役へのインタビュー映像も公開中
前回はこちら→ <上・空き家のリスク>
目次
<上>
○なかなか手放せない「一生物」の家
○物理的にも経済的にも高まるリスク
<下>
○投資対象となりえる空き家
○空き家問題、今年が転換期?
投資対象となりえる空き家
では、空き家はどのようにすれば良いのか。
野崎さん自身もAlbaLink入社当初、空き家期間の長い物件などは「家を壊して土地を売るしかないのでは」と考えていたが、その考えは違ったという。「人口の少ないエリアの場合、大金をかけて更地にし、さらに新築するとなると、かえって高額になってしまい売れなくなってしまう」。
そのためAlbaLinkでは基本的に、空き家は修繕して賃貸として運用、または自社ではなくそれが可能な関連業者や個人投資家へ販売している。「新潟県柏崎市の案件だが、東京都在住の投資家が買って、DIYで賃貸にしていた」(同)。同社にはこうした投資家が多く顧客としてついており、空き家売買の収益化を可能にしている。
築古戸建てによる不動産投資は、売却益が高くない一方で、比較的安く購入できるため賃貸にした場合の利回りに優れる。また、いわゆる“事故物件”のような物件でも、医療関係者や警察関係者であれば気にしない入居者も多い。
AlbaLinkの河田憲二代表取締役は、「相続しても使い道が無い、なんだったら早く処分したいと思っている人がいる一方で、物件の再生ができる人にとってそれはお宝になる」と説く。「こんな古い家が売れるわけがない」「思い出の我が家だが解体するしかない」と考えるのは早計だ。
空き家問題、今年が転換期?
前述の通り、空き家は物理的にも経済的にも年々リスクが高まっていく。今年はじめの震災に限らず、災害が発生した場合は買取金額にも影響が及ぶ。問題を先送りにするのは損だ。
野崎さんによると「私たちも社内で、今年が転換期かもしれない、と話している。行政も空き家の税率を上げており、空き家への視線も徐々に厳しくなっている。また、新築戸建ては市区町村の許可が必要だったが、もしかしたら今後はリフォームにも許可必要になるかもしれない」。そのため、今後はさらに築古戸建てを手放す人が増えていくと見ているという。
インタビューの中で野崎さんは「弊社は、例え薄利でも売却を断るということはしない」と力を込めて語った。登記簿上で建物が農地に建っている場合など、法律上で厳しい場合を除き、極力空き家は購入しているという。
今後全国への支店展開を目指すAlbaLinkをはじめ、空き家問題の深刻化とともにその解決を志す事業者は増えつつある。だが最も大きなポイントは、空き家を生まないことだ。相続前から家族と相談しておくこと、そして、古い家であってもその可能性を諦めないことが重要になっていくだろう。
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