【情報教育】紙芝居塾の受講生らが図書館で紙芝居語りのイベント開催(新潟県長岡市)

2024年1月27日に長岡市立中央図書館で行われたのは、今井和江さん(70歳)らによって行われた紙芝居イベント「ドン!パラリン」である。第4週の土曜日に30分、毎月開催されている。

この日は、「おふねがぎっちらこ」「まてまてあんぱん」「ポンコちゃんとゆきだるま」「でっかいぞでっかいぞ」の4本が披露された。ときに、童謡や手遊びなどを交えながら、臨場感あふれる表情豊かな語りに、参加していた15人の親子はとても楽しそうな様子だった。

「ドン!パラリン」が開催された長岡市立中央図書館

ポンコちゃんの元に突然やってきたゆきだるま。その正体は・・・

今井さんは、声優で紙芝居実演家だった右手(うて)和子さんの元へ弟子入りし、紙芝居語りを修行した。

「紙芝居は絶好の読み聞かせになる。しかも、日本独自の文化。せっかく図書館には紙芝居が貸し出されているのだから、読みきかせを通して紙芝居に興味を持ってもらいたい」というのが、今井さんが図書館で紙芝居を実演するようになったきっかけである。

元々は長岡市内を中心に、同図書館などで、一人で語りの活動をしていたが、自身が亡くなったら紙芝居の文化を継承する人材がいなくなるのではないかという懸念から、2018年から紙芝居塾(ながおか紙芝居ドン!パラリン)を結成。月に2回ほど、紙芝居語りの練習や講習を行い、紙芝居文化の担い手を育成している。受講生は25人程。定期的に長岡市内の図書館や、子育て支援施設で紙芝居の実演を行っているという。

「集まってくれる子どもが多ければ多いほど、張り合いがある」と喜ぶ今井さん。「先月は、大雪のせいか2組の親子しか聞いてくれなかった」と残念そうである。「(子どもが集まってくれれば、)楽しませるのが技」と今井さんは語る。

聴いてくれる子どもたちが多ければ多いほど、張り合いがあるという

ページをめくって話が展開していく本とは違い、紙芝居は展開ごとに紙を抜いて進める<抜きの文化>、話の半分で、半分抜いて止める、などということもできる

「紙芝居の<抜き>は、舞台があって初めて成立する。そういう意味で、紙芝居は、舞台も大切」と今井さんは語る。一方、長岡市内の図書館では現在、一部貸し出しを行っているが、充分ではない。

市民に貸し出すにも、充分な量の舞台を買うための予算がないのだという。そのことから、最近では、紙芝居塾の受講生から集めた会費の一部を紙芝居の舞台の購入に充て、それらを図書館に寄贈するといった活動も行っている。

数年前から始めて、昨年までで10個寄贈した。中央図書館以外の一部長岡市内図書館でも貸し出している。「舞台が増えたら、是非長岡市内の他の図書館にも置いてほしい」というのが今井さんの願いである。

本を借りに来たついでに、紙芝居を聴きに来たという長岡市内の小学校に通う山入端花音(やまのはかのん)さん(10歳)と、妹の和音(おと)さん(8歳)は、「おもしろかった」と満足そうに語った。

「海が出てくる話が面白かった」と語る山入端花音さんと和音さん

今井和江さん(中央)と紙芝居塾の受講生。今回の参加者の多さに喜んでいた

 

(文・撮影 湯本泰隆)

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