【災害時でも市民に安心・安全な街を目指して】新潟県長岡市が新潟県弁護士会と災害時における法律 相談業務に関する協定を締結
長岡市は1月31日、新潟県弁護士会と災害時における連携協定に関する協定をアオーレ長岡で締結した。
災害時における法律相談業務に関しては、2018年に日本弁護士連合会と全国市長会が「災害時における連携協力協定」を締結している。これを踏まえて、県弁護士会でも、2021年に新潟県市長会と災害時における連携協定に関する協定を締結している。それにより、災害発生時に弁護士の派遣等が必要な市がある場合、市長会が弁護士会に派遣要請を行い。弁護士会は要請のあった市に対して弁護士を被災現場に派遣し、早急に法律相談活動を行うことができるようになった。
一方で、実際に災害が発生し、市民が法律相談を利用する際には、一度各自治体から県市長会を通して県弁護士連に要請をするため、手続きに多大な時間と労力を要した。今回の締結により、災害時にも、法律相談が必要な市民に対して、長岡市から直接、県弁護士連に法律相談業務を依頼することができるようになり、災害発生後に迅速に相談を受ける体制が整った。
また、長岡市ではこれまで、災害時以外でも、県弁護士会が受諾する形で毎週1回、無料弁護士相談を行っている。今回の協定締結により、従来の法律相談とは別に、災害が発生した際の様々な課題を、必要な市民がスムーズに受けられることになる。これにより、長岡市民の人的・物的被害や被災したことによる法律面での不安が軽減し、災害時における市民の安心・安全が守られ、早期の復旧・復興に力を注ぐことができるようになる。
県弁護士会では、数年前より長岡市に対して連携協定の提案をしていたが、昨2023年末頃に話が具体的にまとまり、このタイミングでの締結となった。
磯田達伸長岡市長は「災害時はハードルを低くしてより多くの市民の皆さんに利用していただき、トラブルや長期間の係争に労力を費やすことなく行えるようにしたい」と話した。特に今年1月1日に発生した能登半島地震に関連して、詐欺等の事案が報告されていることについても触れ、「これからしっかり気をつけていかなければならない。市民の安全・安心なまちづくりを行っていきたい」とコメントした。
また、県弁護士会の福井泰雄会長は、災害直後の初動の重要性について指摘。「震災の発生とそれに関わる地域の混乱は、実際に発生してみないと程度がわからない」とした上で、「県弁護士連では、能登半島地震発生後の1月15日から緊急電話相談しているが、自信を持って対応できたとは言えなかった」とし、「今後<支え>となり、混乱に対応できる一助となれば」と、この度の連携提供に期待を寄せている。県弁護士連と自治体との同様な協定締結は、新潟県長岡市で11番目となる。県弁護士会関係者によれば、「今後、県内の他市町村でも同様の協定を結んでいくつもり」だという。