新潟県工業技術総合研究所 中越技術センターが大型の電波暗室を整備中

場所は「ながおか新産業創造センター」の隣

長岡市などには工作機械メーカーも少なからずあるが、そうした工作機械をそのまま暗室に入れ、電波ノイズの測定試験ができる

新潟県工業技術総合研究所 中越技術センター(長岡市)は、電磁波ノイズを測定する空間である「電波暗室(※)」の整備を長岡市内で進めている。場所は同市深沢町上ノ山にある「ながおか新産業創造センター」の隣。運用開始は今年7月の予定だ。

電気機器、電子機器から発生する電磁ノイズの大きさは国際規格や国内法で許容値が定まっていて、メーカーは出荷前に測定をしなければならないという。そうしたなか、これまでも新潟県工業技術総合研究所(新潟市中央区)に電波暗室があったが、測定距離は3m(3m法電波暗室)と小さかった。新電波暗室では10mになることから大型装置(工作機械、産業機械など)の試験もできるようになる(大型装置はそのまま電波暗室に入れることができる)。また県内のどこからでも比較的アクセスのよい場所といえ、県内全域からの利用が見込まれる。

整備費は総額5億円。地方創生拠点整備交付金がハード整備にも活用できるようになったことなどから、同交付金を事業費の一部に充てている。

ただ、「整備費が5億円と高額にもかかわらず検討時間が短かい」「日本海横断航路事業で中古船の購入に失敗して県の出資金3億円を損失してしまったばかり」などと一部議員から疑問の声が出ていた。しかし、新潟県工業技術総合研究所の電波暗室が数カ月先まで予約で埋まっていること、さらには大型装置の試験が行なうことができなかったという背景もあり、平成28年12月定例会の補正予算に事業費が計上された。運用開始の暁には、県内メーカーの開発リードタイム短縮、品質向上が期待される。

(※)外部から電磁波が入らず内部でも発生した電磁波が反射しない設計・施工されたシールド空間。機器が発する電磁ノイズのみを測定できる。

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