【自民県連会長電撃辞任】高鳥氏の後釜は誰?既定路線なら最有力と目されるのはあの人だが・・・
自民党安倍派(清和政策研究会)の高鳥修一衆院議員(比例北陸信越)が2月7日、同派から政治資金パーティー券の販売ノルマを超えた還流分計544万円を受け取り、収支報告書に記載していなかったとして、自民党新潟県連会長を辞任した。
高鳥氏の場合、新潟県選挙管理委員会に届け出ている収支報告書に収入の不記載はなかったようで、東京修友会など総務省所管政治団体の収支報告書に不記載が認められたのだという。本人の関与や私的流用がないことが明白で、早々に検察の捜査対象からも外れていたのだが、本人が「知らなかったでは済まされず、道義的責任がある」としてけじめをつける格好となった。
自民党県連にとっては新区割りで迎える次期総選挙に向けてまことに痛手と思われるが、県連会長のポストを空白にしておくわけにはいかない。
「誰かいますかね。新潟に派閥に寄りかかっておらず、派閥からの寄付に頼っていないような国会議員は」(某政党関係者)
名前があがるのは佐藤信秋参院議員(参議院比例区)。佐藤氏は国土交通省出身。土木技術者としてキャリアを積み、平成17年には事務次官就任して、同退任後の平成19年に参院選に出馬し当選。現在3期目。いわゆる全国区が主戦場だが、国交省の技監時代から築いた全国の建設関連業者ネットワークを背景に、3度の選挙を悠々と勝ち上がっている。自民党茂木派に所属するが、業界知名度も高く選挙も強いので、派閥に世話になっている印象はない。ただいささか高齢で、1947年生まれで現在76歳。
自民党関係者やマスコミに聞くと、佐藤氏の県連会長就任はもはや既定路線だという。「佐藤氏の選挙区支部は東京の参議院比例区第五十五支部になりますが、自身のパーティー開催だけで十分に潤沢で、派閥からの寄付はありません。なのでキックバックの記載漏れなどとは別の次元にいる人です。この人なら野党からも文句が出ないのでは」(マスコミ関係者)
一方、別の動きもあると聞く。一部の県議が鷲尾英一郎代議士を県連会長に推しているという。鷲尾氏は当選6回、民主党を離党後、無所属で5回目の選挙を戦ったが、2019年に自民党へ入党した。二階派(志帥会)に所属し、この間、派閥からの寄付は受けているが、記載漏れはない。こちらも自民党の裏金問題でツッコまれる余地はないと見られる。
「鷲尾氏がどうしてもやりたいと言ったら、佐藤氏は降りるかもしれませんね。彼は全会一致でなければ受けないと思います」(自民党関係者)
いずれにしても、非常事態を受けて県連が一枚岩になれないのだとすれば、次の選挙は暗澹たる空気に包まれないだろうか。