【学生大歓迎】 貸し出すのは空間だけではない。コミュニティを広げるコワーキングスペースの新しい在り方を提案(新潟県長岡市 assemble長岡)

開放感満載のコワーキングスペースで、仕事もサクサク進む

昨2023年10月、新潟県長岡市に新しいコワーキングスペースが誕生した。JR長岡駅から歩いて10分圏内の好立地にあるassemble長岡(アッセンブル長岡)である。以前、弊社で取材したレンタルオフィスWise spaceも同ビル内にあり、正面に立地するミライエ長岡も含めて、周辺はレンタルオフィス、コワーキングスペースの体を成してきた。

assemble長岡は、長岡駅からまっすぐ歩いて10分もかからない好立地にある

早速、訪問してみる。一面視界に拡がる開放感のあるスペース。中央部に低い箇所があるのは、この場所がもともと居酒屋の居抜き物件だったことによる。そこには、〈物件の元々の個性をなるべく活かして利用する〉という理念が繁栄されている。

この扉の向こうには開放感あふれる空間が広がっている

 

ところどころ段差のある造りは、以前居酒屋が入っていたときのまま

運営会社は、宮崎県宮崎市に本社を置き、コワーキングスペース事業の企画、運営、他拠点への展開などを行っている株式会社ATOMicaである。同コワーキングスペースのあるビルを所有している株式会社Wisdom Holdings(小柳卓蔵代表取締役)の依頼を受けて、共創パートナーとして、同コワーキングスペースを運営、管理している。

同コワーキングスペースの特徴といえば、その開放性が挙げられる。元々居酒屋だったため、広い空間をかなりの自由度で使うことができる。リラックスした雰囲気の中で、スピーカーの話を聴くことのできるイベントスペースや、ボードゲームの置いてある空間もある。そして、会議室もガラス張りなので、外側から中の様子が見やすい。逆にいうと、秘匿性を帯びたプライベートな会議を行うのには少し使いづらいかもしれないが、それもスタッフに相談すれば、8階の個室などの利用を提案してくれるとのことである。ビル全体を通して、フリースペースとして使用することで、できるのことの可能性が圧倒的に増えるのが特徴である。

広々とした空間なので、勉強も進む

広々とした空間なので、勉強も進む

 

集中したいとき、空きがあれば個室ブースも利用できる

そして、もう一つ。assemble長岡の最大の特徴にして、長岡市内の他のコワーキングスペースにない強みが一つある。それが、スタッフ自身が〈コミュニティ・リード〉という肩書で、コミュニティマネージャーとして、活動しているということである。現在、同コワーキングスペースに在籍するコミュニティ・リードは、秋田峻佑さん(39歳)と荒川由里絵さん(32歳)の二人。新規事業や起業相談など、二人を慕って相談に来る人も多い。特に荒川さんは、キャリアコンサルタントの資格も保持しており、ママさん繋がりでの起業・開業の相談や、同スペースを使ってのイベントやワークショップなどを企画の提案等もしている。また、秋田さんの巻き込み力も凄い。企業と人とを繋いで、企業が抱えている新規事業の構想を実現させたりもしている。一施設の受付・管理人という立場を超えて、その動きはとにかくパワフルで、取材した記者も驚くばかりである。

天井の配管もほぼそのまま。フロアの元からの造りを活かした空間になっている

こちらはイベントルーム。まるで友人の自宅にでもいるような気分でセミナーなどを受けることができる

ボードゲームも各種揃えてある。仕事や勉強に疲れたら、ボードゲームでみんなで盛り上がろう!

コミュニティをある一定の方向に、意図的に導く印象を持つ〈コミュニティ・リーダー〉という呼称ではなくて、敢えて〈コミュニティ・リード〉とすることで、常にコミュニティの中にいて、必要なときに、そっとサポートしてくれるような、そんな印象を持つ。「仕事のことだけではなく、勉強のことだったり、一つひとつの悩みを聞いたりしていくなかで、今後コミュニティマネージャーとしての役割も変わっていくのでは」と秋田さんは考えている。

さて、先述したように、現在、長岡市で、同コワーキングオフィスがあるビルのエリアや少し離れた長岡駅周辺には、レンタルオフィスやコワーキングスペースがいくつも隣立している状態となっている。駅からも近いという好立地のため、今度、同ビル周辺に同業が増える可能性も高い。そうなれば、競合も激しくなっていくことだろう。それについてはどのように考えているのだろうか。「余所のコワーキングスペースと競合するつもりは全くない」と語る秋田さん。むしろ、必要があれば他とも協力し、「コワーキングスペースを軸としてコミュニティを育成し、様々な人が、コワーキングスペースを目的や用途に応じて使い分けしてもらえれば」とする。そして、「コワーキングを通して〈街づくり〉をし、地域が好きな人が交わる場所にしたい」と語る。

今後、様々なイベントも行っていきたいとする同コワーキングスペース。荒川さんによれば、2月限定で1時間550円の時間単位でのドロップインができる。「お試しで使ってみたい方、気軽に遊びに来てください」とのことである。特に、学生との繋がりを広く求めている。2月28日まで、〈学生応援プラン〉とし、学生限定で一日の利用料金が通常1650円のところを最大13時間100円で利用できる。これはもう使い倒すしか手段はない。

コミュニティ・リードの秋田峻佑さんと荒川由里絵さん。二人を慕って相談に来る人も多い

 

(文・写真 湯本泰隆)

 

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