“地域活性こそ我が道楽” くびき開発・丸山社長
上越市の不動産業・株式会社くびき開発の丸山隆志社長は糸魚川市能生に在住。現在も生まれ育った同地から通勤する。丸山社長が“道楽でやっている”と話す町おこし活動だが、趣味の域を超えてスケールが大きい。
最も力が入っているのは、奴奈川姫伝説による町おこし。古事記に登場する奴奈川姫はひすいの産地である「こしの国・ぬながわ(現在の糸魚川市能生)」を統べていたとされる絶世の美女。
出雲国(現在の島根県)よりはるばる求婚にきた大国主命と結ばれたという古代のラブロマンスが語り継がれる。毎年8月に開かれる「奴奈川まつり」には、ギネス認定の世界一の“大うす”が登場し、日本の神話時代のスタイルに身を包んだ町民が練り歩く。この奴奈川まつりの発起人が丸山社長であり、全国の奴奈川姫研究者とも交流を深めている。
また、これまで11回を数える「つちのこ探検隊」も仕掛け人は同社長。捕獲者に授与される賞金1億円(スポンサー数社による)を目指して、全国から毎回約80名が集結し、糸魚川の山に入る。
最近のご執心は「恋する灯台プロジェクト」。日本ロマンチスト協会と日本財団が、全国の灯台から“ロマンスの聖地”を20カ所認定。地元の能生港灯台が選考に入ったのをきっかけに社長の道楽が騒ぎ出した。能生の海に沈む夕日の写真コンテストを主催し、町おこしにつなげようという。
「道楽なんて、真剣にやった方が面白い」という丸山社長。これらの仕掛けを、全て補助金等に頼らず運営しているのは、驚くべきバイタリティだ。
(2017年1月10日号より転載)