【Q3決算】創業60周年のオーシャンシステム(新潟県三条市)は大幅増益、商品やサービスの質向上で企業価値上昇
株式会社オーシャンシステムは2月14日、2024年3月期第3四半期の決算(連結)を発表した。
売上高は647億400万円(対前年同期比10.0%増)、営業利益は17億4,800万円(同62.5%増)、経常利益は18億1,700万円(同59.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が12億7,500万円(同91.5%増)となった。
創業60周年を迎えた同社は、中期経営計画で掲げた『IDEA & INNOVATIONで、新たな価値をつくる』を推進。商品やサービスの質の向上と、自社ECアプリのコンテンツ拡充による会員数増加を図り、企業価値の向上に努めた結果、大幅な増益となった。また、株式会社ヨシケイ両毛を子会社化したことに伴い特別利益(負ののれん発生益)を1億400万円計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益が大幅増となった。
「スーパーマーケット事業」では、週末のインストアプロモーションの強化を行うとともに、チャレンジャーの「周年祭」や「創業祭」で、コロナ禍で控えていたマグロ解体ショーなど多くのイベントを再開するなど、販売促進活動に注力。また、夏場の猛暑の影響や原材料価格の高騰による仕入価格の上昇に対しては、消費者ニーズに応えた価格訴求策が奏功し、来客数が堅調に推移。繁忙期となる年末商戦も順調に推移した。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は202億8,300万円(前年同期比8.0%増)、利益は7億6,000万円(同65.2%増)となった。
「業務スーパー事業」では、イベント業者向けの需要が大きく回復したことに加え、ストアブランド商品が多くのメディアで取り上げられたことにより売上は好調に推移。また、店内で調理した惣菜や弁当を販売する「馳走菜」では、お好みの揚げ物をお客様自身でパック詰めする「フライバイキング」を一部店舗で開始したことも好評を博した。店舗については、10、11月に「業務スーパー」1店舗の移転と、新規2店舗をオープンし、直営店舗数は77店舗となった。この結果、当期間の売上高は335億1,600万円(前年同期比13.0%増)、利益は12億4,000万円(同48.1%増)となった。
「事業所向け宅配弁当」では、ニーズの多様化により販売食数は伸び悩むも、品質や味・見栄えの向上を図った。また、度重なる原材料価格の値上がりや人件費を含む配送費の上昇に対し、徹底したコスト管理を行うと同時に、適正価格への引き上げを行い利益率は大きく改善。その結果、当期間の売上高は69億200万円(前年同期比5.7%増)、利益は2億9,500万円(同94.7増)となった。
福祉施設などへの食材販売を行う「ヨシケイキッチン」については、受託件数が順調に増加し、サブ・フランチャイズであったヨシケイ両毛を子会社化したことで売上高は増加。一方で、主力商品である一般家庭向け食材セット「すまいるごはん」は、販売平均単価は上昇したものの、新規顧客数は前年には及ばず、販売セット数は減少した。その結果、当期間の売上高は36億6,300万円(前年同期比4.3%増)、損失は900万円(前年同期はセグメント利益1億300万円)となった。
「旅館、その他事業」では、人流の回復に伴い、旅行代理店からのバスツアー等の送客による昼食利用が大幅に回復。しかし宿泊単価は増加したものの定員稼働率は低調で、外食店舗の売上高もコロナ禍以前までの回復には至らなかった。その結果、当期間のセグメント売上高は3億3,800万円(前年同期比2.0%減)、損失は4,800万円(前年同期はセグメント損失2,400万円)となった。
上記の理由を踏まえ、2024年3月期第3四半期累計期間の売上高は予想を上回る結果となったため、同社は通期業績予想の再修正(上方修正)を公表。売上高は856億円(前回発表予想826億円)、営業利益は19億5,000万円(同14億2,600万円)、経常利益は20億4,000万円(同15億1,300万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億2,000万円(同10億9,200万円)に、それぞれ修正した。
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