【AI評価】津南醸造(新潟県津南町)、野村事務所(東京都)が構築したAIによる日本酒の官能評価システムを活用して自社銘柄の評価を実施(再掲載)
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初回掲載:2024年2月16日
津南醸造株式会社(新潟県津南町)はこのほど、株式会社野村事務所(東京都)が構築したAIによる日本酒の官能評価システムを活用して、既存の自社銘柄の評価を実施した。
野村事務所は、シンガポールのProfile Print社の提供する新しい官能評価システムProfilePrintの日本国内での利用をサポートしており、野村事務所が学習を加えた既存の評価モデルを用いて、津南醸造が持つ8銘柄の分析を行い客観的なプロファイルを確認した。
官能評価機器「ProfilePrint」は、特許技術のスキャニング機能とAI学習機能により、これまでヒトにしかできないと言われていた食品官能評価を実現。今まで、日本酒は評価が困難とされているなかで、野村事務所はSAKE SERVICE INSTITUTEの協力を経て、抽象的な香りの項目も数値化し、唎酒師の評価結果に非常に近い官能評価モデルの構築を実現した。
このほど、津南醸造は自社が2024年に自社銘柄の供給候補先に対してどの銘柄を供給するのがいいかを判断するために、野村事務所の協力を経て自社銘柄の一括評価を実施。これにより、自社銘柄の客観的な評価を備えることで、海外を含む商流に対して効率的な提案が可能となったほか、2024年に開催される各種アワードへ出品する銘柄もこの評価結果を参考にするという。
津南醸造は今後、野村事務所が扱う「ProfilePrint」モデルの精度を上げるための開発に協力し、自社内の製造におけるAIを活用した酒造りのプロセス内で「ProfilePrint」の出力内容の活用をする可能性について検討を進めていく予定だ。
「ProfilePrint」は食品の官能プロファイルを数値化して分析する革新的なシステムで、このシステムは、食品の味、風味、香りなどを詳細に評価し、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や「豊かさ・コク」「爽やかな香り」などの人間の感覚に基づく項目も数値化するほか、水分量や密度などの物理的特性も評価する。
このデータはクラウドで管理され、国内外問わずアクセス可能です。さらに、このシステムは品質検査や等級分け、製品タイプの分類、品種識別など、食品の分類と識別にも利用されるという。