コジマタケヒロのアルビ日記2024 Vol.3「勝つことに対しての逆算」秋山裕紀
2月20日の聖籠は雨。雪ではないだけましだったともいえるのだが、気温は低く、体は芯から冷えるほど。そんな中、沖縄、高知でキャンプを終えた選手たちは、黙々と練習に臨んでいた。
目を引いたのが、秋山裕紀選手。精度の高いパスは相変わらず。昨年よりもどっしりとした印象で、さらに磨きのかかった守備が印象的だった。練習後、秋山選手に話を聞いた。
「沖縄も高知も充実したキャンプになりました。チームとしてもすばらしい積み上げができたと思っています。守備は行く、行かない、の判断がチームとして本当に共有できていると思います。僕のポジションはボランチ。いろいろな選手を動かしながら、自分たちのやりやすい守備の形を整えながらのプレーができた。チームとしては、前線からのプレッシングがひとつの持ち味。そこから狙っていくという意識もいい形で合わせることができたと思います。
去年、チームの中心として試合に出ていた選手が抜けた中で“自分がやらなきゃいけない”という意識がより高くなりました。また副キャプテンという立場になり、自分のことだけではなく、チームがどういうバランスでやっていくかも、より考えないといけない。このキャンプを通じて、バランスを取りながら、チームのために戦うというところを常に意識して、ピッチ上で表現できるようになったと思います。だからこそ、結果にこだわって、チーム全体をまとめていけるようにシーズン通じて、頑張っていきたいと思います」
今週末にはいよいよシーズンがスタート。新潟はアウェイの鳥栖で初戦を迎える。
「とにかく先を考えずに開幕戦の鳥栖に対して自分たちがどう戦えるのか、勝つことにこだわって、そこにフォーカスして試合までの時間に臨みたい。昨シーズンはいいサッカーをしたけれど、惜しかったねというゲームが何試合かありました。しかし、今シーズン、僕たちはてっぺんを目指しています。てっぺんを取るためには勝ち点1を勝ち点3にしなきゃいけないし、勝ち点0を勝ち点1にしなきゃいけない。一試合の勝ちの積み上げが本当に大事になってくる。時には自分たちのサッカーを崩してしまうこともあるかもしれないけれど、勝つことに対しての逆算をとにかくして、勝つためのサッカーをしたいと思います。
だからこそ、個人の数字にもこだわっていきたい。目指すは、3ゴール、8アシスト。チームの得点に10回は関わりたいと考え、3つは自分で、残り7つはアシストで、と思ったのですが、7より8のほうが数字として好きなので、3ゴール、8アシスト。今は早く開幕したいという思いでワクワクしかないですね。これから本当に自分たちがてっぺんを進んでいくための山登りが始まる。ここからスタートすると思うと楽しみしかありません」
技術、身体能力、戦術理解力に精神力。サッカーをする上で欠かせないこれらの能力、秋山選手の能力スクエアは、昨年よりもどれほど大きくなったのか。
試合でのプレーが楽しみでしかない。
◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート。
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前回:Vol.2 「10得点が目標です」 小野裕二 (2024年1月15日)