【商品や従業員は事業承継先の新会社へ】摂田屋管財(旧浪花屋製菓、新潟県長岡市)が特別精算開始決定、負債総額約9億8,500万円

株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、株式会社摂田屋管財(旧・浪花屋製菓株式会社、前本社・新潟県長岡市)が2月9日、新潟地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約9億8,500万円。なお、2023年5月に阿部幸製菓株式会社(新潟県小千谷市)が事業の継承を表明。同社を母体とする新会社へ工場や従業員、商品などは引き継がれている。

摂田屋管財は1923年創業の米菓メーカーで、創業間もない時期に銘菓「柿の種」の基礎を完成させた。1948年4月に法人化し、パン、菓子、食料品の製造及び製粉業を行っていたが、1949年に社名変更した際、米菓製造業に転換した。

主力製品の柿の種は土産物や贈答品としてスーパー、駅売店、高速道路サービスエリア、土産物店などで広く販売され、判明するピーク時の1993年10月期には売上高約29億円を上げていた。

しかし、土産物需要の落ち込みにより2018年から2019年10月期は減収し赤字となり、新型コロナウイルス感染拡大以後は行動制限や外出自粛などで更に販売が落ち込み、2021年10月期の売上高は約12億円に減少。2022年10月期は売上が回復したものの、売上低迷で赤字から脱却できない状況が続いていた。

また、不採算事業縮小や人員見直しなどにより経営改善を進めたが、多額の借入金負担と債務超過により財務は弱体化していた。

こうした中、2023年5月に阿部幸製菓が同社事業を継承することを表明し、阿部幸製菓を母体とする新会社を2023年4月に設立。同年6月1日、会社分割により全事業を新会社に移管、工場や従業員、商品などが新会社に移るとともに、新会社の名称を従来と同じ浪花屋製菓株式会社に変更した。

同社は現商号に変更した後、2023年10月31日株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは132件目となる。

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