【2,000億円投資開発】妙高高原マウンテンリゾート構想 活性化期待だが、心配する市民の声も(再掲載)

直近の記事を再掲載します

初回掲載:2024年3月2日

記者会見する妙高市の城戸陽二市長(2024年2月26日、妙高市役所で撮影)

2028年末をめどに、シンガポールに本社を置く不動産投資会社「ペイシャンス・キャピタル・グループ」による総額2,000億円規模の妙高高原地域でのスノー・マウンテンリゾートの開発計画が昨年から一部メディアで報道されている。新潟県妙高市の城戸陽二市長はこの開発計画における今後の対応などについて、先月末の定例記者会見で以下のように述べた。一連のリゾート開発計画について、地元首長が公の場でコメントしたのは初。

城戸市長はまず率直な感想として、「大きな投資は経済面、雇用環境の面で妙高市にとっては何よりで喜ばしいこと。妙高市としては、地元との共存共栄を図っていくためには何ができるかを考えていかなければならない。期待感が大きいが、不安感もゼロではない。その不安感の解消には、事務所のかたの計画を示してもらいたいし、地元への丁寧な説明をお願いしているところだ。報道機関への情報提供も相手がたの企業へ申し入れをさせていただいている」と語った。

妙高市内にある同じ外資系のロッテアライリゾートには、オーストラリア人が妙高のパウダースノーを求めて数多く来ている。南半球のオーストラリアは日本と夏冬が逆のため、オーストリアの富裕層は通年でウィンターリゾートを楽しんでいることになる。

インバウンド誘客への期待については、「日本国内で人口が減少している中では、日本人の需要は限度があると思っているので、経済成長を発展させるためには当然インバウンドの力を借りなければできない。ロッテアライリゾートの教訓については、冬場はインバウンドに来てもらっているが、通年的な観光の面ではまだまだ大きな課題が残っている。新たな外資系と既存のロッテアライリゾートとの相乗効果が発揮されることを期待している。私が代表から直接聞いた時は、スノーリゾートと使わずにマウンテンリゾートを目指したいと言っていた。冬だけでなく、山を使ったオールシーズンの観光リゾートを作ると言っているので、そこにも期待したい」と述べた。

城戸市長は再三、不安感という言葉を口にしている。それについては、「労働力の確保という意味で賃金格差が生じる可能性があり、既存の事業者への影響がないかが不安要素だ。また、富裕層を相手にするということで、地元の受け入れ環境や交通環境を整備していかなければいけないという課題がある」と話した。

城戸市長が言うように、上越妙高地域にとっては外資の大型リゾート開発構想は地域活性化へ向けた朗報と言える。ある情報では、一部の用地の買収は済み、測量まで済んでいる状態だと聞く。

一方で、一部の市民からは、妙高高原地域における近年の暖冬化による降雪の減少傾向を心配する声や、交通の便を問題視する声も上がっている。

妙高のパウダースノーが魅力だが。(写真はイメージ)

(文・梅川康輝)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓