【6年がかりのプロジェクト】県立海洋高校(新潟県糸魚川市)と近畿大学水産研究所(和歌山県)のアカムツを今日初めて放流

近畿大学水産研究所富山実験場、新潟県立海洋高校の関係者

アカムツ(いわゆる高級魚のノドグロ)の養殖などで高大連携協定を結んでいる新潟県立海洋高校(新潟県糸魚川市)と近畿大学水産研究所(和歌山県)は3月11日、海洋高校で記者会見を開き、今日12日に近大研究所と海洋高校生徒が協力して育成したアカムツの稚魚約8,000尾を糸魚川沖の日本海へ初めて放流すると発表した。

海洋高校と近大水産研究所は、2018年に「アカムツ等の養殖および種苗生産に関する高大連携協定」を締結し、世界で2例目となる人工受精に成功した。この高大連携は、新潟県が大きなアカムツが獲れるという理由により、近大側から申し入れがあったという。

その後、アカムツの刺し網漁の時間を夕方に変更するなどして試行錯誤を繰り返しながら、2022年に約1万尾、2023年には3万尾の稚魚の生産に成功した。

今日放流される稚魚は、昨年12月15日、同月26日、同月27日に富山県にある近大の富山実験場(富山県射水市)から海洋高校の糸魚川市内の施設に運ばれたため、奇跡的に今年元日の能登半島地震の被害を免れた。富山実験場は稚魚が死ぬなど今回の地震で大きな被害を受けたという。

近大水産研究所富山実験場場長の家戸(かと)敬太郎教授は「このアカムツのプロジェクトは6年がかりだが、1年ごとに成果が出ている。近大ではアカムツの養殖をするが、放流によって漁師さんの収入アップに繋がってくる。養殖により、通年の新潟県の特産物になることが期待できる」と話した。

海洋高校の増田真之介教諭は「海洋高校でも1,000尾の生産を目標にしていきたい」と語った。

記者会見場で披露されたアカムツ(ノドグロ)の稚魚

 

【関連リンク】
新潟県立海洋高等学校 【海洋TUBE】アカムツ稚魚放流〈新潟県立海洋高等学校×近畿大学〉

 

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