【書店員が選ぶ】今月のおすすめ本(2024年3月)「ときめくフクロウ絵図鑑 (SBクリエイティブ)」など「夜」をテーマに選んだ3冊 —— 提供:ジュンク堂書店新潟店
ジュンク堂書店新潟店(新潟市中央区)の書店員が選ぶ「今月のおすすめ本」。書店員の眼鏡にかなった「今読んで欲しい本」を、書店員の生の声でお届けします。
今月は、ジュンク堂書店新潟店 自然科学書担当の石原翔太郎さんからのおすすめ本を3冊ご紹介します。
規則正しく健康的な生活を送るためには早寝早起きが理想だとは分かっているものの、昔とくらべて夜を愉しく過ごすための娯楽には事欠かず、ついつい夜更かしをしてしまう。今回は「夜」をテーマに本を選出しました。読書で夜を味わうのであれば、深夜まで羽目を外して睡眠不足、飲み過ぎで二日酔い……なんてこともありません。
古本屋台 (集英社・2は「本の雑誌社」)Q.B.B.(作・久住昌之 画・久住卓也)
『夜ふけになると どこからともなく 現れる 幻のような 古本屋台。白波お湯割り 一杯100円。 おひとり様 一杯限り。 珍本奇本 あり』
表紙にいる帽子を被ったヒゲのオジさんらが、なぜこの古本屋台に惹かれ、足を運ばずにはいられなくなってしまうようになるのか。1話2ページで淡々と紡がれる異色のコミック。
店主の呟きやほんの些細な出来事ひとつひとつに散りばめられた思わずグッとくる要素をあなたも共有できるなら、オジさん同様、この本にどんどんハマっていくはず。
夜のお店 解剖図鑑 (エクスナレッジ)高橋哲史
バー、クラブ、スナックといった定番どころから町中華、コンカフェ、はてはぼったくりバーといったお酒を提供する夜のお店を大解剖。
天井を外して俯瞰・立体的に見た店内のイラストにはそのお店を構成する設備、店員と客のやりとり、提供するメニュー・サービスなどありとあらゆる情報が満載。
この本を読んでからお店に行けば飲食や会話に加えて新たな楽しみが生まれてくるかも。
お酒を飲めない人にもお薦めします。
ときめくフクロウ絵図鑑 (SBクリエイティブ)永田鵄
夜のイメージがある生きものといえばまずフクロウを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。静寂に響く鳴き声、暗闇に光る印象的な瞳は凛としていて若干の不気味さも感じられる。
本書は自らの名前にしてしまうほどフクロウをこよなく愛する著者のイラストが最大の魅力。リアルなのにとにかく表情が豊かで、例えば映画ハリーポッターでお馴染みシロフクロウのつがいに挟まれ、にこやかに微笑む子どものフクロウや、14本に連なる首の骨が可能にする、頭を上下反対にしておどけるようなしぐさをみせるコノハズクといった色々な種類のフクロウたちの「喜怒哀楽」を楽しむことができる。
専門のカフェができるのも納得の愛くるしさがこれでもかと詰まった1冊。
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