新潟市議会議員 保苅浩(ほかりひろし)市政報告(令和3年7月)
目次
◎令和3年6月議会定例会の概要
◎新潟駅工事(在来線全線高架化)視察レポート
◎議会報告 令和3年6月定例会の一般質問について
令和3年6月議会定例会の概要
6月議会定例会は7月1日の本会議で全議案が可決され、総額32億6688万円の補正予算が決定しました。内容は下記の通りです。
・高齢者タクシー利用助成事業:1億9000万円
ワクチン接種を受けた高齢者に対し、タクシー運賃の一部を助成するもの
・女性つながりサポート事業:1500万円
新型コロナウイルス感染症拡大による、孤独・孤立で不安を抱える女性に向けた相談支援
・ひまわりクラブ運営費:4590万円
児童の密集を避けるため分散運営を行うクラブに対し、支援員を増員するもの
・子ども食堂等活動支援事業:390万円
弁当容器や消毒液、使い捨て手袋など、感染対策にかかる運営費の一部を補助
・介護施設等の多床室個室化改修支援事業:198万円
多床室を空間的に分離し個室化するための回収費を補助
・国の補助内示等に伴う増額補正及びその他補正分:27億8540万円
新潟駅付近連続立体交差事業(14億8000万円)、道路橋梁維持費(5億5300万円)、道路新設改良事業(2億3600万円)など
また、一般議案として、来年4月の農業委員会統合に伴い、統合後の農業委員及び農地利用最適化推進委員の定数を規定する条例制定、市場周辺地区の地区計画の用途制限を変更するほか、坂井地区の地区計画を追加し建築物の制限を定める議案等も可決されました。
新潟駅工事(在来線全線高架化)視察レポート
6月議会から環境建設常任委員会の副委員長に就任しました。委員会視察として6月22日、新潟駅高架工事を視察。元は県が進めていた整備計画ですが、政令市移行により本市が引き続き工事を進めているもの。
新しい新潟駅は1F部分がバスの乗降場、在来線高架により南北が見通せる状況になっていました。2Fは改札、商業広場など、まだ全体像がよくわからないくらいの工事進捗ですが、今までの倍の売り場面積が確保され、買い物をたっぷり楽しめる空間になりそうな気がしました。3Fはホームになります。雪が降ってもレールが埋まらない仕様で除雪作業は大きく軽減、コンクリートの土台に固定することでレール位置の夜間微調整作業も軽減されるそうです。
議会報告 令和3年6月定例会の一般質問について
質問1:財産経営推進計画の改定について
答弁:本市では、財産経営推進計画改定に向け、公共施設マネジメントの専門家などから構成される有識者会議を設置し、施設種類ごとの評価項目やその基準、施設再編の手順などを定め、具体的な再編案の検討を進めています。
評価手順については、施設種類ごとに定められた再編の基本的な考えに従い、施設の利用圏域においてサービス機能を維持するために必要な施設数の判定と、各施設の利用状況や老朽度といった客観的指標により存続や廃止についての事業評価と更新時期評価を実施しました。
地域別実行計画は、公共施設の総量削減とサービス機能の維持を目的とする一方で、各地域における課題にも配慮することが重要と考えています。実行計画策定の段階では、ワークショップの開催や広報誌などで、地域のみなさまと共にまちづくりの方向性や課題解決策などの意見交換を行い、地域の実情を反映させながら実行計画の策定を進めていきます。
保苅市議コメント:本市の公共施設は、人口一人当たりの保有面積が政令指定都市の中で最も多く、現下の財政状況や将来の更新費用を試算すると、総量削減が不可欠であることから、再編計画が進んでいます。削減にあたり地域間の公平性も考慮しつつ進めていく事が重要となります。(市営住宅など)市の所有する一定の施設に関しては、民間の有効利用も視野に検討すべき事項だと考えています。
質問2:防犯カメラ補助金事業について。補助金を活用した防犯カメラの設置者に対し、設置後の運用や映像管理の状況など、市として一定の関与が必要ではないか
答弁:プライバシー保護の観点からも適切な運用が大変重要となることから、本市では補助金の交付に際し、県が定めた指針に適合する管理と適切な設置、利用を条件としています。
今後は、事業による設置者にアンケート調査を実施し、その中で設置後の管理・運用の現状確認や注意喚起を図るとともに、防犯カメラの設置効果や活用事例の把握に努めてまいります。
質問3:農業委員会統合による行政サービスの低下懸念と、一つになって期待される効果は?
答弁:行政サービスについては、統合される各農業委員会の事務局に事務所を残し職員を配置することで、届け出や相談、証明書発行など、これまでと同様に行えるように、また、委員活動についても農業委員数は減少しますが、農地利用最適化推進委員を増員し、各区の農業委員に代わり新たに区部会をそれぞれ設置し、これまでと同様の活動ができるよう十分に配慮することとしています。
統合効果としては、広域に分散した農地管理のしやすさや、証明書発行の一元化、また全国最大の農業委員会になることによる発信力の高まりなどが期待されると考えます。
質問4:農地の受け手の確保、担い手の支援について
答弁:将来にわたって農地を担う農業者を確保するためには、農地の集積・集約化、圃場整備による大区画化、スマート農業の導入など生産性の向上につながる支援が必要と考えます。担い手についても、コロナ禍で多様な価値観が広がる中、今後も定年退職者に加え、作業が集中する期間でのパート労働者や外国人材、シルバー人材及び様々な人材を確保できるよう検討していきます。
保苅市議コメント:農業センサスによると、農業就業者は5年前より2割減っているとのデータがあります。こんな産業は他になかなかありません。国は抜本的な対策が必要との声明を出していますが、本市の担い手不足は年々拍車がかかっており、悠々と待っていられる状況ではありません。本市でも早急に対策を打ち出さなければいけない問題だと考えております。
質問5:農業振興地域整備計画について
答弁:農業振興地域整備計画の見直しにあたり、今年度は基礎調査資料及び図面の作成と併せて実施するアンケートにより、5年後の農業経営見込みや後継者の有無、周辺農地の将来像などの意見等、地域の声を反映させることができると考えています。
農用地区域は将来にわたり農業上の利益が確保され、土地改良事業及びこれに準ずる事業への公共投資が行われた農地で、営農条件が優れていることから、将来に向かって継続すべきものです。そうした農地が集落内にある場合は継続して利用していただくことを基本としながらも、開発の計画があった際には個々の案件について随時相談をお受けし、実情に合わせた制度運用をしていきます。
質問6:基幹水利施設の整備・管理に関して農地の負担軽減はどのようになっているか?
答弁:本市では、これらの施設設備にかかる工事費の一部について、国のガイドラインに沿い負担しています。本年度、この基幹水利施設にかかる整備・管理に関する国補助制度が新設・拡充され、本市としても農地負担の軽減に向け、土地改良区など関係基幹と検討を行っています。
また、管理費における行政と農家の負担割合についても、その合理性を検証しており、今後も農家負担の軽減が図れるよう努めてまいります。