新潟県佐渡市で金山の歴史や産業構造をテーマにしたアート作品「状景を紡ぐ」が出典中

佐渡ヶ島(新潟県佐渡市)における山の生産システムや佐渡金山の歴史的な繋がりを想起させるアート作品「状景を紡ぐ」

小岩金網株式会社(東京都台東区)は10月2日まで、早稲田大学の古谷誠章・藤井由理研究室との共同研究成果として、佐渡金山(新潟県佐渡市)の歴史や産業構造をテーマにしたアート作品「状景を紡ぐ」を、さどの島銀河芸術祭に出典している。

小岩金網は2016年度より、古谷誠章・藤井由理研究室と産学協同研究を開始。建築の「資材」として考えられている金網を「素材」として見直し、多様な種類と特性を理解することで、金網に対する考え方を拡張し、その価値を再検討、再発見することを目的としている。

今回の作品は、佐渡金山のにおける山の生産システムや佐渡金山の歴史的な繋がりを想起させるものであるという。

佐渡金山から大間港(金の採掘~鉱石の出港)まで発展していった旧・相川町(現・佐渡市)では、400年に亘る先人たちの営み、鉱山技術や生産システムの変遷など、歴史的価値の高い貴重な遺産群が多く残されていおり、大間港には、かつて鉱石や鉱山資材を運んでいたレール群が巡られていたという。こうした欠けてしまった生産システムを繋げて、佐渡金山の歴史的な繋がりを想起させるオブジェクトを小岩金網と古谷誠章・藤井由理研究室では考案した。

オブジェクトは、2つの螺旋のコンセプトから構成される。1つは採掘に欠かせなかった、坑内から湧き出る水の排出で使われた螺旋状の揚水機。もう1つは、大間港の生産システムとして存在した螺旋状のレール群。これら2つの螺旋を、金網のフレームを用いることで表現し、佐渡金山のシルエットに見立てた。

オブジェの切れ端のコンセプトで作られたダブルベンチは、金網の蛇籠にソーシャルディスタンスを保ちながら2つの木製の座面を設置。間の空間にはソーラーパネルを設置して、夜には日中に発電した電力で灯りを灯す。

早稲田大学の古谷誠章教授は動画の中で「港を訪れた方々がこのオブジェを通して、金山の長い歴史と、そこに働いていた人々の生き様や生命のエネルギーを感じてもらえたら」と話している。

【「さどの島銀河芸術祭」開催地 相川地区の大間港】

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