新潟県新発田市で旬のいちじくを使ったスイーツ満載「新発田いちじくフェア2021~SHIBATA ICHIJIKU FAIR~」を 10月31日まで開催中

新発田市内16店舗でいちじくを使った商品を販売する

新潟県新発田市で栽培されている日本いちじく「蓬莱柿(ほうらいし)」をPRする活動の一環として、「SHIBATA ICHIJIKU FAIR 2021」が新発田市内で開催されている。

新発田市五十公野地区は、県内有数の蓬莱柿の産地として知られ、五十公野果樹組合には40件ほどのいちじく栽培農家が加入している。蓬莱柿は他県でも栽培されているが、五十公野地区は日本最北の産地。寒暖の差が大きいことから、甘味が凝縮した上質ないちじくが採れると言われている。

やや小ぶりな実に甘さと香りが詰まった日本いちじく「蓬莱柿」

いちじくやリンゴ、イチゴなど、新発田市は果物栽培が盛んだ。その歴史を遡ると、1873(明治6)年、新発田の豪商、白勢家の10代目当主、白勢成熙が新発田町清水谷浦(現・新発田市大栄町)でリンゴの栽培を始めたという記録が残っている。そして成熙の息子・白勢和一郎は、イギリスやフランスに留学して果樹栽培を学んだ。帰国後、持ち帰った苗木をもとに果樹園を開設、リンゴや洋ナシ、サクランボなどの栽培を始めたと言われている。果物の木を植えても家族で食べるだけだった時代に、販売し利益を得るという発想は、農民たちの意識を変え、いちじくの栽培が広まるきっかけの一つとなったようだ。

新発田市五十公野地区のいちじく生産者の皆さん

まだ「知る人ぞ知る」状況の新発田産日本いちじく。これを使って食品関連事業者等を支援しようと、「産業連携推進委員会」が発足され、「いちじくブランド化プロジェクト」が発足したのが2018年のこと。いちじくを活用した特産品を集約しPRすることで、市内産業の発展へつながるステップとなるよう官民一体となって取り組んでいる。

このプロジェクトを統括する「しばた いちじくブランド化プロジェクト実行委員会」で委員長を務める金子俊文さんは、1847(弘化4)年創業の菓子店「金子屋老舗」の5代目店主だ。

6代目となる金子さんの息子も修業から戻り家業に励んでいる

新発田市には長年親しまれている和菓子店が多い。それについて金子さんは「城下町ということはもちろんですが、茶道がさかんだったことも和菓子が親しまれてきた理由だと思います」と話す。

「新発田の菓子店には、いちじくを使ったものが昔から多いんです。今回のフェアは、うちのように代々作り続けている自慢の商品を出す店もあれば、このために新商品を開発した店もあります」と金子さん。金子さんがフェアに出品している3品は、3代目、4代目、そして5代目の金子さんが考案し商品化したもの。3代目と4代目が作った商品は、どちらも全国菓子大博覧会で最高賞となる名誉総裁賞を受賞するなどした逸品だ。「うちに代々伝わる味を出品させていただいています。じいちゃん、父、私の3代で、いちじくフェアに参加していると思っています」と笑った。

金子さんの祖父にあたる3代目が考案した「いちじく羊羹」

金子さんの父である4代目が考案した「いちじく餅」

金子さん考案のシナモンが香る洋菓子「シナモンフィグ」

フェア用に新商品を開発するだけでなく、こうして既存の商品を出品するには理由がある。「新発田の菓子職人の腕に、私は誇りを持っています。今風のおしゃれなパンフレットやSNSに載せることで、既存の商品をリブランディングしたいという思いもあるのです」と金子さん。

パンフレットはSNS映えする撮影にこだわった

今回フェアに参加しているのは新発田市内16店舗と寺町たまり駅。各店舗にあるパンフレットはスタンプラリーの用紙となっていて、3店舗分のシールを集めるとプレゼントに応募できる。

伝統の銘菓や新商品で新発田産いちじくを堪能できる「新発田いちじくフェア」は10月31日まで開催している。参加店舗や最新情報などは、随時更新中のHPで確認を。

【関連リンク】
SHIBATA ICHIJIKU FAIR
https://www.shibata-ichijiku-fair.net/

(文・太田広美)

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