一般社団法人雪国観光圏(新潟県湯沢町)などが「温泉×ワーケーション×自炊体験」型宿泊プランの提供を開始

旅館でのワーケーションのイメージ

一般社団法人雪国観光圏(新潟県湯沢町)と、訪日外国人旅行者向け観光プラットフォームサービスを提供するWAmazing株式会社(東京都)は、長期滞在型観光とワーケーションの親和性は高いと考え、コロナ禍での新しい宿泊スタイルとして「温泉×ワーケーション×自炊体験」型宿泊プランの提供を開始した。

雪国観光圏は、新潟県湯沢町、新潟県南魚沼市、新潟県魚沼市、新潟県十日町市、新潟県津南町、群馬県みなかみ町、長野県栄村の3県7市町村からなる観光連携組織。

雪国観光圏は、世界でも他に類を見ない多雪地帯のため、長い冬を越すための知恵が根付いており、特に「食」の面に色濃くあらわれているという。雪のない季節に採取される山菜を塩漬けや乾燥品、発酵食として蓄えるのは雪国ならではで、この食文化体験を広げるために誕生したのが、料理を中心とした「雪国ガストロノミーツーリズム」。短期の遊興を目的とせず、その土地の暮らしに溶け込み、地域の文化を感じられるような旅行スタイルは、雪国観光圏が誇る現地密着型の楽しみ方となっている。

一方、コロナ禍において、「リモートワーク」は世の中に広く知られるようになったが、最近では対面でのコミュニケーション不足、ストレスや運動不足、仕事とプライベートの区別がつきにくいなどといった点に課題を感じる人も増えている。

この新しい働き方時代の課題を「雪国観光圏らしさ」で解消すべく、令和2年度には「雪国観光圏エリア」と「首都圏のスタートアップ企業ネットワーク」を、「ワーケーション」という新しい働き方・過ごし方にてマッチングを行うことを目的とした実証実験を実施。CEOとCEO以外の経営層を半数含む計13社18人が参加した。

実証の結果、参加者の約88%が再来訪意向を示した。都市圏からも近く、食と温泉、自然の魅力に富んだ雪国観光圏は、働き方の柔軟性の高い首都圏スタートアップ企業群の在籍者が仕事をしながら滞在することに適している可能性が高いことが実証できたという。

参加者の満足度をより高める方法を検討していく中で、令和3年度は「食事の選択肢を増やす」という点に着目。よりよいワーケーションスタイルを確立すべく、地域の食材を活かした滞在食を楽しみながら長期滞在する「新・湯治」をテーマに設定した。多雪地帯である雪国観光圏エリアにて冬期間でも受入対応できるよう、宿泊先でカスタマーが簡単に調理できるレシピ開発や、宿泊施設における受入対応整備を実施。その結果、誕生したのが、所要時間30分以下の簡単調理(自炊体験)で味わえる滞在食を活用した「温泉×ワーケーション×自炊体験」型宿泊プランだ。

「新・湯治」とは、平成29年に「自然等の地域資源を活かした温泉地の活性化に関する有識者会議」により提言された、現代のライフスタイルにあった温泉地の過ごし方の提案。温泉地周辺の地域資源を多くの人が楽しみ、温泉地に滞在することを通じて心身ともにリフレッシュすること、そして温泉地を多くの人が訪れることで、温泉地自身のにぎわいを生み出していくことを目指している。

雪国観光圏では、温泉地の要素に加えて、「調理時間30分以下の簡単な自炊で地元食材を味わいながら、その土地での長期滞在に新たな彩りを添える」ことを目的として、5つの滞在食を開発した。どのメニューにも雪国観光圏エリアらしい食材を活用している。雪国観光圏オリジナル調味料には、酒粕、かぐら南蛮味噌、かぐら辛っ子などを独自の割合で配合した。おにぎりや豚ロースはもちろん、どんな料理にも活用できる汎用性の高い調味料となっている。

また、滞在食を活用した「温泉×ワーケーション×自炊体験」型宿泊プランの実証実験を2泊3日で実施し、スタートアップ企業勤務の日本人2人、日本在住の台湾人3人に参加してもらい、販売に向けた最終調整を行った。自炊可能な宿は順次拡大していくという。

長期滞在型観光とワーケーションの親和性は高い

自炊体験型宿泊プランの提供を開始した

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