「昔ながらの味を貫く」新潟のソウルフード、バスセンター(新潟市中央区)の黄色いカレー

バスセンターのカレー

万代シティバスセンター(新潟市中央区)内にある行列の絶えない店「万代そば」(旧店名「浦浜農園そばコーナー」)は、1973年11月に万代シテイバスセンタービルが完成した当初から現在地で営業。その名物である通称「バスセンターのカレー」も当時から販売していた。

「万代そば」のカレーは、豚骨スープベースで作られた昔ながらの黄色いルーが特徴だ。口の中に入れると、よく煮込まれた肉や野菜の甘みが口に広がり、マイルドでいてしっかりとしたカレーの辛味が口の中で広がる。

初めは蕎麦やうどんに合うカレーとして考案され、当初は蕎麦や、うどんにかけて食べるのが主流だったという。後に、ライスにかけて食べられるようになり、現在は県民に広く周知され愛されるようになった。

昼時になると行列が絶えず、幅広い世代の人が券売機の前に並ぶ。また、現在はコロナ禍の影響もあってかテイクアウトも非常に人気である。カレーのルーだけ注文して、家に持って帰り自前のライスでじっくり味わうというスタイルも徐々に利用客に浸透してきている。

カレーのルーを混ぜる様子

海老天2本をトッピングしたカレー蕎麦

名物のカレーライスが目立っているが、「万代そば」は立ち食いそば屋である。定番のカレーライス・蕎麦・うどんも美味しいが、カレーうどん・カレー蕎麦も楽しむ事ができるし、海老の天ぷらやかき揚げ、玉子などのトッピングを付けて自分なりの楽しみ方を模索できる。2020年に改装された立ち食い席にはしっかりと敷居もしてあり、落ち着いて食べる事ができる。県内外への周知度も高く、著名人がお忍びで食べに来ることも多い。

「万代そば」の玉津正和店長に、これからの万代そばについて話を聞いた。「多分、このコンセプトは変わらないと思う。メニューもずっとこのままでやって、それこそ『昔ながら』の味を貫くつもりだ。この味を守っていこうと思っている」と話した。

学校帰り・塾帰りに立ち寄って空腹を満たした記憶や、休日に家族で出掛け、帰りのバスに乗る前に一家揃って食べて帰るなど、利用客の思い出も様々あると思う。長年、同じ場所で同じ味で営業しているからこそ、そういった特別な感情は生まれるのだろう。

万代そばに行った時がない人でも、子どもの時に食べた「昔ながらのカレー」を思い出して、懐かしい気持ちで楽しむことができるかもしれない。また、若年層は今から万代そばの味が「懐かしい味」になっていくのだろうと思う。記憶の中の思い出が隠し味となりさらに美味しく味わうことができるのではないかと筆者は思う。

新潟県のソウルフード「バスセンターのカレー」は今日も変わらず、昔の味を守っている。まだ行ったことがない人は、値段もリーズナブルなので足を運んでみることをおすすめしたいと思う。

万代そばの玉津正和店長

 

【GoogleMap  万代そば】

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