人工知能による頭痛問診アプリ「AI頭痛問診こむぎ」、糸魚川総合病院(新潟県糸魚川市)の勝木将人脳神経外科医長が開発に着手
糸魚川総合病院(新潟県糸魚川市)の勝木将人脳神経外科医長はこのほど、人工知能(AI)による頭痛問診アプリ「AI頭痛問診こむぎ」の開発に着手することを発表した。
糸魚川総合病院は、糸魚川市などと協力して頭痛の疫学調査や啓発活動を行ってきた。その結果、生活に支障をきたす片頭痛の有病率が10%弱、痛み止めの飲み過ぎによって悪化した状態である薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の有病率が2.3%であることなどが明らかになった。
不適切な治療による頭痛悪化を防ぐために、頭痛に関する啓発活動を行い、「頭痛は痛いときに用いる痛み止めだけでなく、痛くならないようにする予防治療が重要であること」を広く伝えた結果、糸魚川市民の頭痛に関する知識は啓発前に比べて向上した。正しい知識を知ることで、病院の受診に繋がり、適切な治療を受けることで頭痛がなくなり、生活が快適になる人が多くいるという。
これらの調査と啓発活動を通じて、患者の中には「自分の頭痛は治療の必要がない」と思いこんでいる人がいることや、せっかく病院で頭痛のことを医師に相談しても、医師が頭痛に詳しくないため、きちんと話を聞いてもらえず辛い思いをしたことがある人がいること、頭痛は予防治療でよくなることを患者も医師も知らないことなども判明した。
AI頭痛問診こむぎは、これらの解決に役立つAIとして開発されている。デジタル化が進む中でこのAIが普及することにより、地域の偏在などなく頭痛の正しい知識の普及と適切な診療水準を達成し、頭痛患者と頭痛にかかわる医師の両方が幸せになることを目指しているという。
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参考:15ー64歳の2.32%が痛み止めの使いすぎによる頭痛(薬剤使用過多による頭痛、薬物乱用頭痛) になっている可能性
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