香港企業が新潟県長岡市柏露酒造と連携し、アジア富裕層向け日本酒ブランドを提供開始

株式会社UNITY ZEROの日本酒事業の第一号ブランド「緲(びょう)」

アジア富裕層向けブランド事業を展開するマーケティング企業、株式会社UNITY ZERO(本社:香港)が、日本酒事業の第一号ブランド「緲(びょう)」を、新潟県長岡市の蔵元・柏露酒造株式会社と連携し、中国市場を主とする海外アジアへ向けて提供開始する。

国内需要が縮小傾向にある日本酒産業において、日本政府や民間企業は海外輸出に注力し始めている。 財務省貿易統計によると、コロナ禍により打撃を受ける中、2020年度の清酒輸出総額は過去最高となる約241億円(昨対比103.1%)を記録。特に、中国本土、香港、シンガポールなどの中華圏での高価格帯の日本酒需要が牽引しており、香港が初めてアメリカを抜いて首位となったほか、第2位の中国本土は10年前と比較して伸び率が約1,600%と驚異的な伸長を続けている。

中華圏での市場成長に活路を見出す事業者が増加する中、東京電力福島第一原発事故の影響によって中国輸入停止が続いている地方はコロナ禍によって輸出額も減少している。日本の酒どころとして、中華圏の日本酒愛好家にも認知されている新潟県も、日本酒の中国輸入停止処置が続いている区域の一つである。

UNITY ZEROでは独自調査から、中国人富裕層の「観光レジャー」、「飲食」需要を満たす、新潟の自然資源の潜在的な価値の高さに着目。 「特に、美しい冬景色から生み出される雪解け水が育む食文化は、日本を象徴する存在として価値提供できると考え、苦境に立たされる日本酒産業の現状を打破する富裕層向けブランド事業の可能性を探ってきた」という。

「緲」ブランドイメージ画像

UNITY ZEROが見据える市場の主要顧客層は、中国の1980年生まれ以降のミレニアルズ富裕層であり、旧来の中国人による爆買いの印象とは異なる需要をいかに捉えてブランド展開するのかに注力したという。そこで焦点を当てたのがギフト需要で、大切な人に高級酒を贈り合う需要に対してフィットする日本酒が少ない現状を踏まえて「緲」のブランドを設計している。

ブランド名の「緲」は、日本語で「かすか/はるか/はるかに遠いさま」という意味を持ち、中国語圏では日常的に使用されている言葉である。日本を代表する雪国の雄大な自然と、製造パートナー柏露酒造のルーツである長岡藩主の酒蔵の歴史に思いを馳せるイメージから命名している。原料には、すでに中国輸入解禁されている世界最高ブランド米「越後長岡コシヒカリ」を使用して28%にまで磨き上げ、南北朝時代の武将が傷を癒したとされる高龍神社の雪解け伏流水と合わせてじっくりと仕上げた。

さらに、ボトルには重要無形文化財に指定されている肥前びーどろ手吹きガラスを採用。江戸時代末期に高級品として珍重された江戸硝子の徳利をモチーフに、当時の形状を熟練職人がひとつひとつ手吹きで再現。こうした富裕層の贈答品としての付加価値を追求することで、1本720ミリリットル/5万5,000円と、世界水準の高級酒として提供を実現した。

商品の品質にこだわる一方で、輸入規制が続く現状を打開し購入を促すために、中国国内から海外への贈答需要に応える販売チャネルを香港に整備。「緲」ブランドが独自開発した専用ECでは、中国国内からのオンライン購入と同時に、贈答したい海外の贈り先に対して、日本から輸出する仕組みを構築している。中国国内輸入の需要だけでなく海外への贈答需要を満たすことで、規制に影響されない提供スキームを実現しているようだ。

UNITY ZEROが構築した提供スキーム

 

【関連リンク】
「緲」webサイト

柏露酒造株式会社 webサイト

株式会社UNITY ZERO webサイト

 

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓