【ブランディングコラム #11】“人を育てるチームづくり”が未来を変える|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)

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初掲載:2024年5月23日

こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

このコラムでは、昨今注目されている「ウェルビーイング」について、「ブランディング」の観点からビジネスや人材育成に役立つ情報をお届けしています。

今回は、新入社員の教育・研修体制について。アドハウスパブリックで実際に行っている教育体制と、それによる会社の変化についてお話しします。ご興味がありましたら、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

 

“みんなで”人を育てる取り組み

この春、アドハウスパブリックでは2名の新入社員を迎えました。社員教育のやり方は会社によって様々だと思いますが、うちの会社では複数の先輩社員が講師となり、全17回の研修講座を2週間かけて実施しています。

講師のトップバッターは私。まずは、理念やビジョンなど会社の土台となる考え方を伝えた上で、そこから成り立つサービスのこと・どんな体制や役割で行っているか・そして役割を全うするために大事にしているバリューと行動指針について話します。

これらをはじめに共有し、自社のサービスがお客様に与えられる効果や、私たちはお客様にどう貢献するのかという共通認識を持っておくことで、一人ひとりがチームの一員となり走り出すことができるのだと思います。

それに続く講習では、会社の技術や知識の部分を複数の社員からレクチャー。それぞれの得意分野を活かした講座を実施します。新人に限らず誰でも参加OKなので、先輩社員と新人が一緒に講座を受けることも。全社のリスキリングや知識の底上げにも繋がっています。

また、この講座では社内コミュニケーションを図ることも大きな目的のひとつ。全社員がいずれかの講座に関わっているため、新人は講座を通して社員みんなと接点ができ、チームに馴染むスピードがかなり早いのです。

とくに新入社員の場合は、「会社で誰が何をしているか」という理解には、ある程度の時間がかかると思います。そこで講座を通してコミュニケーションを図ることで、みんなとの距離が縮まりやすく、日頃の話しかけやすさ・相談しやすさも変わってくると思います。

過去には、このプログラムを実施する前に入社した新人もいました。当時は特定の教育担当がついて教えるスタイルでしたが、思うような成長が見られず、残念ながら辞めてしまう結果に。しかし、今のような仕組みができて以降は、そのようなことも起きていません。

新入社員が会社を居場所として捉え、いち早く社員としての自覚を持ってもらうために、とても大切な取り組みになっています。

 

社員の成長は会社の成長に繋がる

この取り組みを始めたもうひとつの目的は、新人教育を通して会社としても成長すること。

私たちの会社にはもともと職人気質のメンバーが多かったこともあり、人を育てることがあまり得意なチームではありませんでした。新人を預けられることに対する抵抗感や、なんとなく面倒に思う感覚が、みんなあったように思います。

しかし、人を育てること・人が育つチームになることは、きっとこの会社の未来に大きな力になる。そんな想いで、新卒採用のスタートにあわせて教育体制を強化。“全員で新人を育てる”という感覚を社員みんなで共有し、“誰かが”ではなく“みんなで”育てるという共通認識と仕組みを作りました。

この体制によって、育てる側に役割を与えたことで全員が責任を持ち、「みんなで育てよう」そして何より「みんなで会社を良くしていこう」という意識がより強くなりました。

みんなで育てるという意識は、業務の任せ方やアドバイスの仕方など、日常のあらゆる場面に現れています。新人の個性も大事にしながら、数ヶ月で戦力になるよう全員で取り組む。そのために、「見守るだけではなく、たくさん挑戦させる」という考えが根付きました。

はじめは「なかなか新人に業務を振れない」と悩む社員もいましたが、ここ数年で挑戦させることで育つことを身をもって知り、面倒を見切れる自信もできたのでしょう。今では新人にも積極的に仕事を任せ、新人もどんどん成長する環境に。これは会社の生産性の面においても、とても大きなことだと思います。

この仕組みを取り入れたことで、私たちは人を育てるということに愛情と貢献心があるチームになりました。人の成長は、会社としての成長でもあります。自分たちらしい教育体制が、会社の利益と成長に繋がる状態というのが、理想的な教育の在り方だなと改めて感じています。

これから、社内の人材をいかに育てていくかが重要な時代です。とくに地方では人材難となり、その分会社の売り上げも落ちてくる。だからこそ、どの会社もしっかりと向き合うべき課題です。

今はまだ、人を育てることが後回しになってしまうような会社もたくさんあるはずです。そういう会社が少しでも減り、人を育てることに価値を感じられる会社が増えてほしい。そのための知識を今後もサービスを通してお伝えしていきたいと考えています。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関本 大輔(せきもと だいすけ)

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

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