【ブランディングコラム #12】新潟の街をウェルビーイングに|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)
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掲載日:2024年6月14日(最終更新:2024年6月23日)
こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。
このコラムでは、昨今注目されている「ウェルビーイング」について、「ブランディング」の観点からビジネスや人材育成に役立つ情報をお届けしています。
今回は、「ウェルビーイング」をテーマにしたコラムの締めくくりとなります。「ウェルビーイング」に関する私自身の取り組みや、目指したい未来についてお話しします。ご興味がありましたら、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
新潟の中小企業によるビジネス連携
私が所属している新潟市異業種交流研究会協同組合、通称N-MEC(エヌメック)でも、新潟をウェルビーイングな街にしようと取り組んでいます。
N-MECとは、新潟市の中小企業142社が所属する異業種交流団体。中小企業のビジネスマッチングや人脈作り、経営のノウハウや知識を学ぶセミナー、若手育成・幹部育成、合同入社式など、中小企業が自社だけではなかなか取り組めないことを、複数の会社で力を合わせて実現しようという相互扶助組織となっています。
それと同時に、N-MECは新潟で働く若い人たちが他社の先輩経営者や先輩社員と交流しながら、世の中や社会のことを知るための場所でもあります。
とくに20代〜30代の頃は、他社の人と関わる機会が少ないですよね。だからこそ、ここで役職も立場も関係なくいろんな業種の人と交流したり、チームを組んでイベントを作り上げたりする。こういう経験ってとても大きな財産になるし、世の中や社会に対する視野も広がるのではないかと思っています。
私は、N-MECに所属してかれこれ16年ほどになります。4年前には第9代目の理事長に就任し、今年5月で3期目に入りました。
はじめて理事長に就任した4年前は、ちょうどコロナ禍でした。そのためスタートから2年間はあまり活動ができなかったことに加え、コロナ禍を経て各企業にもダメージが。さらに、団体設立から30年以上が経過していたことによる組織のマンネリ化も重なり、120社ほどだった所属企業は110社以下まで減少しました。
そこで、まずは組織のリブランディングを実施。この会の本質は何か、集まる理由は何か。人を巻き込みながら体制を見直していく中で、「Fun N-MEC」というテーマフレーズを打ち出しました。集まろう、そして楽しもう。人が集まることにこそ、意義があるよねと。コロナ禍のためオンラインを中心に交流しながら、人と人が直接会うことの意義や、人との交流によってビジネスが生まれていくんだよということをマンネリ化した組織に訴えました。
3年目にはコロナ禍からの復活ということで、どんどんイベントを重ね、いろんな人とコミュニケーションを取って、人を巻き込んでいきました。その間に劣化した会の運営の方法などもみんなで改善し、今の時代に合った運営方法に変えていった。その結果、所属企業も140社まで増え、どんどん勢いのある組織になっていきました。まさに、組織ブランディングをしたわけです。
また、N-MECは新潟市役所に事務局を置いていることから、市役所との連携も強い。さらには新潟県内にある各大学の学長が顧問となっているため、産官学連携もできる。そんな幅広い繋がりの中で中小企業が中心となり、ビジネスにとどまらず新潟をより良い街にしていくための取り組みにも発展しはじめています。
新潟、そして日本をウェルビーイングに
「Fun N-MEC」をテーマに活動してきた4年間を経て、これからの2年で新たに目指すのは「Joy N-MEC」。
喜びを得るぞということで、もっとビジネス交流を盛んにし、もっと新しいノウハウや知恵を新潟の経営者に入れていこうと。そのために東京から情報を持ってきたり、あるいはもっとオープンイノベーションを行って、事業内のコラボレーションを作り上げたり、行政・大手企業を巻き込んだり。そんなふうに、ビジネス組織としてのブラッシュアップに取り組んでいきたいと思っています。
その中で目標にしたいことのひとつが、このコラムのテーマでもある「ウェルビーイング」。“新潟を世界一ウェルビーイングな街にしよう”と考えているんです。
ウェルビーイングは非常に幅の広いテーマですが、簡単に言えば「その人が満たされた状態で人生を送る」ということ。仕事・健康・財政・人間関係・コミュニティ、この5つのバランスが取れていると、ウェルビーイングな状態と言えます。
実はこの5つに関するビジネスって、世の中には山ほどあります。だから、その人たちが連携し、それぞれの強みを活かすことで、新潟を住みやすい街・生きがいのある街にしていこうと。そんな声を掲げて、さまざまな連携を生み出すための体制づくりに取り組んでいます。
さらに、今年はIRK(全国異業種連携協議会)という団体の会長にも就任する予定です。これを機に、日本をウェルビーイングにする“ウェルビーイングジャパン”というテーマも、個人的に掲げています。
日本でも、それぞれの地域が住みやすい街を目指していて、いろんな業種の人たちがビジネス交流をしている。でも実は、全国にある異業種団体同士はそれほど繋がりが強くないんです。
だから、まだ連携できていない複数の組織をひとつにまとめてネットワークをつくることができれば、かなり大きな力になるんじゃないかなと。そんな、夢広がる“ウェルビーイングジャパン”構想に今、新潟からチャレンジをしているところです。
今後のN-MECやIRKでの活動を通して、新潟そして日本のブランディングに少しでも寄与できればと考えています。
さて、今回まで「ウェルビーイング」をテーマに、約半年間に渡りコラムをお届けしてきました。
次回からは「ブランディング」をテーマに、見せ方だけに捉われない真のブランディングとは何か、具体的にどんなことに取り組むべきか、などについてお伝えしていきます。
今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関本 大輔(せきもと だいすけ)
株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。
お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。
米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。
【連載コラム ブランディングコラム】
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#10 本物が揃う店『久保田NIIGATA』のブランディング
#5 自分を知ることが原点。『MBTI』による自己認知方法(後編)
#5 自分を知ることが原点。『MBTI』による自己認知方法(前編)
#4 その人らしさを認め合うことからはじまる“心理的安全性”
#3 ウェルビーイングに働くための“良いチーム”づくり 後編