【コラム】「これにて最終回~最後にまたアイドル論を書いてみる②」元新潟県副知事・中国運輸局長 益田浩
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「これにて最終回~最後にまたアイドル論を書いてみる➀」
中国運輸局プレスリリース(抄)
私とSTU48とのコラボ
私の着任当時はまだコロナ禍であったこともあり、私自身のSTU48との初めてのコラボは、着任から4ヶ月後の令和4年10月14日に開催された徳山下松港開港100周年記念イベントで、山口県出身の工藤理子さん(りこち)と渡辺菜月さん(なっちゃん)とのトークショーでした。りこちとなっちゃんは、最初に認知してもらった貴重なメンバーで、今でもお見送りでしっかり反応してくれる仲良しです。
次いで、翌年1月には、広島の地域密着ラジオで、池田裕楽さん(いけちゃん)が出演するFMちゅーピーの番組「イブニングストリーム」にゲストとして参加し、広島の観光について語りました。ありがたいことに、その後、3ヶ月に1度程度、番組に呼んでもらっています。
今や、いけちゃんは、「千鳥の鬼レンチャン」で抜群の歌唱力とバラエティ性が話題となり、一気に全国的な知名度を得ていますが、もともと、AKBグループの歌唱力No.1決定戦で、1位が2回(第3回及び第5回)、2位が1回(第4回)となっており、歌うまメンバーとして有名でした。私もNGT48の三村妃乃さんの応援で、第3回から第5回の歌唱力No.1決定戦本選を会場で観ており、めちゃくちゃ上手いなぁと感嘆したものです。
数年後には、ラジオ放送の狭いスタジオで隣に座っているとは、人の運命は分かりません。最初に共演した頃は「私をイチ推しにしてくれ」との圧がかなり強かったのですが、ソロコンサートの成功や鬼レンチャンでのブレークなどを経て、私への圧が大幅に軽減され、「本人も自信が付いたのかな、さすが全国区となり、小事にこだわらなくなったな」と感心していたところ、STU48初のアルバム「懐かしい明日」の発売記念オンラインチェキサイン会で見事に公開処刑されていました。
このチェキサイン会では、メンバーが自分のチェキに申込者の名前とサインを書いていきます。名前はメンバーに認知されているハンドルネームを使う方が多いのですが、私は折角なので、本名で登録していました。
すると、いけちゃんはチェキにサインしながら、「益田さんは、私が目の前にいても、別のメンバーのサイリウムを振っている」とお怒りのコメントを述べているではないですか。チェキが届くのも怖いし、今月予定されているラジオ放送に行くのも怖いのですが。メンバーはステージの上でパフォーマンスをしながら動き回っているので、目の前にいるメンバーにあわせてサイリウムの色を替えるのは大変だし、そもそも、ステージのどこにいても、誰が何色のサイリウムを振っているか、良く見える、と推しに脅かされているので、公演中、私はあまりサイリウムの色を替えません。。
メンバーからの認知が無かった頃と違って、今はいろいろと気を遣うことが増えてきました(笑)。
今年に入ってから、3月14日に信濃宙花さん(そらは)を一日中国運輸局長に任命し、中国地方の観光振興に貢献した宮島観光協会に対して、令和5年度中国地方観光振興アワードを授与してもらいました。
NHK広島のローカルニュースで繰り返し放映されるなど、大きな話題となりました。観光振興アワードの価値も上がったと思います。なお、そらはからも、「私をもっと推せ」との圧を日々受けています。
一日運輸局長といえば、実は、中国運輸局に先んじて、今年2月22日、四国運輸局が池田裕楽さんを一日四国運輸局長に任命しています。さらに、3月26日、四国運輸局はSTU48のメンバー8名を四国観光大使に任命しました。
これだけ読むと普通のニュースのように見えますが、ヲタ界隈ではこの発表に大いに沸いています。STU48には、課外活動ユニットとして「勝手に!四国観光大使」があり、これが四国運輸局により公認されて「勝手に!」が取れたというわけです。仮に、中国運輸局が後追いで中国観光大使として任命したとしても、インパクトが全く違います。誰が知恵をつけたのでしょうね。負けました。
なお、中国運輸局によるSTU48メンバーの一日運輸局長任命に触発されて、6月19日、広島労働局は同じくSTU48の久留島優果さんを一日労働局長に任命します。嬉しい連鎖反応です。
その他、今年度の中国運輸局パンフレットの表紙とP.10の計2ページにSTU48のメンバー計5人が登場しています。ご希望の方には中国運輸局総務部で入手可能です。表紙は分かる人は分かる内航海運PR動画ロケの一シーンです。私はこのロケに立ち会っていましたよ。
ヲタ活のまとめ
そろそろまとめに入ります。記録を確認すると、この2年間で、STU48の劇場公演・コンサートを計63回、観覧していました。
もちろん、仕事と重なって諦めたことも多々あります。今年4月末から6月初まで開催された7周年ツアーは7県計9回開催されましたが、四国の香川と徳島のツアーは広島からのアクセスの関係で断念しました。
それでも、これだけ回数を重ねると、私の素性を知らないメンバーでも、現場でよく見るおじさん、くらいの認知はもらえます。承認要求が叶えられる観点からはありがたいのですが、以前述べたとおり、推しにお金を使おうと思えばいくらでもつぎ込める底無し集金の仕組みのため、メンバーからの新しい認知を誘発する動きはかなり自粛気味であり、公演中に視線を合わせて釣ってくる怖いメンバーからは目をそらしています(笑)。
それでも、この6月12日に開催された新アルバムのリリースイベントで、久しぶりにグループ握手会があり、はじめましてのメンバーと握手しながら、短時間、会話して、反応が良かったりすると、次のイベントでは挨拶に行かなきゃ、と思ってしまいます。実際、長くセンターを務めていたメンバーや新たにキャプテンになったメンバーは気になりました。困ったものです。
広島でのヲタ活に当たり、私は現場主義と称して、劇場公演やイベント等に自ら足を運ぶことを心がけていましたが、あわせて、仕事柄、様々な方と会うことができる立場を活かして、STU48の周知活動にも努めました。
例えば、中国経済連合会や広島商工会議所などで、地元企業のトップの方々に物流2024年問題や観光振興などに関する講演をする際、自己紹介のページに、「○月○日現在、STU48の公演等を○○回観覧」と入れていました。「開運!なんでも鑑定団 2回出演」とともに印象に残ったようです。
また、国の出先機関や地元企業のトップ、テレビ記者、地元紙の論説委員などに対しても、「百聞は一見に如かず」と劇場公演にお誘いしていました。
今度、一日労働局長を任命する広島労働局長も誘っています。STU48はNGT48と異なり、残念ながら、現在、専用劇場はありませんが、立ち見席も無いので、ある程度、年配の方も誘いやすい利点もあります。だいたい、「観に来ているのは40代から60代までが多くて、絶対に浮きません」、「公演中も立ちません。最後まで着席限定です」と伝えると、心理的なハードルが一気に下がります。少しはファン層の広がりに貢献できていれば良いなと思います。
いい歳をして、何のためにヲタ活をするのか、と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、アイドルに限らず、スポーツ選手や贔屓筋の推し活も、行動原理は基本的に一緒だと思います。具体的には、
① 若くて可愛いアイドルを応援していると元気になる、気分が若返る、出歩くようになる。
② 自分が知らなかった新たな世界を体験できる、ゆとりが生まれる。
③ 推しから精神的・金銭的応援を感謝されて、自分の存在意義を実感する、自己肯定感が上がる。
④ 同じ活動をするファンとの交流が広がり、職場とは別の居場所、帰属意識が生まれる。
⑤ 推しからの承認欲求が満たされる。
などが理由となるでしょう。私に当てはめてみると、④は仕事柄、NGT48やSTU48ともに意図的に抑制していますが、①、②及び⑤は該当しそう。
残念ながら、私の職場でも、広島カープやサッカーのサンフェレッチェ広島、そして、先日、日本一となったプロバスケの広島ドラゴンフライズの観戦への反応と異なり、STU48の劇場公演やコンサートを観に行こうと誘ったときの反応は、間違いなく微妙ですが、実際に観たあとは、一様に顔が輝いて、また観に行きたいと熱く語ってきます。この食わず嫌いのハードルを越えさせてあげるのも役割かなと、これからも余計なお節介を焼きそうです。
それでは、長らくのお付き合い、ありがとうございました。また、どこかでお目にかかりましょう。
【前回記事】
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