【コラム】「上越市議選後の衆院選や市長選を探る」 竜哲樹(元上越市議会議員、元産経新聞記者)

15人の新人、10人の女性で争われた上越市議選

上越市議選史上最多の15人の新人、女性10人で争われた上越市議選からはや3カ月が経とうとしている。6月議会も終わり、当選した11人の新人もそれぞれ活躍している。

特にこれまで在籍した女性議員は多くても2人ないし3人で推移する中、今回女性8人が当選、これから定数減となっても女性が3分の1、4分の1を占める市議会構成が続くことになろう。そのことで何が変わるのか、当然ながら女性議員ならではの子育てや介護など福祉や教育分野が真正面に多く取り上げられることになっていくに違いない。もちろん、そのことを大いに期待したいし、上越市政にとっても大事なことである。

そのことで国政や県政、市政分野においても女性の政治へ関心が高まることを大いに期待したいし、いわゆる男性中心のこれまでの政治の流れが大きく変わっていくものとも信じたい。その意味でも、女性議員が多く占める議会として次代を先取りするような県内でも模範となる議会を目指して欲しいものである。

もう一つ、そのことで市民団体やNPO法人なども含め、女性たちによる市民活動が活発になっていくことも併せて期待し、様々な分野に渡り、女性の声が大いに反映される市になって欲しいものだ。

 

いつあるか衆議院解散、総選挙の結果も占う

さて、岸田文雄総理による解散戦略にもよるが、いつ解散総選挙があるのか。上越市における総選挙結果がどうなるのか、有権者の関心も高い。

しかも次の衆院選は新5区で争われる。上越市でも中選挙区時代も小選挙区になってからも、保革による激しい選挙戦が闘われてきた。新5区であっても最多有権者数を数える上越市の獲得票が勝敗を決することはこれまで通りであろう。ところで、保革両陣営とも共に「政治資金パーティ問題」、そして「日本酒配り疑惑問題」で有権者から不信感を突き付けられている。

さて、次の衆院選で、今回の上越市議選結果がそのまま当てはまらないことは言うまでもない。政党公認の議員は別として、無所属で当選した議員は政党色とは別に地元地域の票や友人知人、企業や会社の票などが入り乱れて獲得した結果であることは言うまでもない。

確かに衆院選となれば、それぞれの議員が衆院選候補者の選対に入ることも多い。だからと言って、市議選ではそれぞれの議員に応援した有権者もバラバラになっているケースもたくさん見て来た。「政策の一致」「好き嫌い」「昔からの繋がり」など色んな支援の根拠や理由もあろう。特に次の衆院選では多くの女性議員たちの動向も勝敗に左右されることも考えられる。大いに注目したい。

 

上越市長選で2期目目指す現職と対抗馬の構図は

中川幹太上越市長が2度目の挑戦で市長の座を手にした。来年10月に中川市長は間違いなく2期目を目指すだろう。これまで様々な公約を実現して来たと思うが、一方で頑なに目指す一部の公約はなかなか議員らの賛同を得られない状況だ。ただ、新しい市議たちの動向はまだ明らかになっていない上、次期市長選まで1年数カ月があるので、市長選を論じるほど情報もない。

上越市長選も女性議員たちの選択にかかっているやもしれない。比較的若い市長であり、ある意味でいわゆる「しがらみのない」「フラットな」「しなやかさ」色を掲げる市長であることで、なかなか議員自身らも自分たちのスタンスも重ね合わせ、まだまだ様子見状態であろうし、次期市長選の構図が明らかになるまではこの状態が続くだろう。

ところで、県内第2の都市、長岡市もこの秋市長選を迎える。3期目を目指す現職と新人の構図が明らかになっている。まずは注目したい。さて、上越市の市長選に手を挙げる人も出て来るだろうが、その構図がはっきりして来るのは早くても来年夏以降となることから、しばらくは予想がつかない。以前上越市長を2期務めたM議員の「市政立て直し!」との現市長への対抗色を強める動向も見逃せないが、果たしてどうなることか。

 

謙信公生誕500年期に、市政の新たな発展を

いずれにせよ、県内第3の都市である上越市、戦国の武将・上杉謙信公の生誕500年まであと6年と迫り、地元選出の代議士、市長、32人の市議たちなど上越政界に関わる皆さんが上越市の新たな発展への足掛かりを創ってくれることを大いに期待したいものだ。

 

竜哲樹

昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。

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