【ブランディングコラム #2】ウェルビーイングに働くための“良いチーム”づくり_前編|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)<再掲載>

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初回掲載:2024年1月4日


こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

このコラムでは、昨今注目されている「ウェルビーイング」について、「ブランディング」の観点からビジネスや人材育成に役立つ情報をお届けしています。

前回は、「ウェルビーイング」とは何か・企業や社会にどんな影響があるのかなどを簡単な自己紹介とあわせてお伝えしました。

第2回目となる今回のテーマは、ウェルビーイングに働くためのチームづくり。誰もが気持ち良く働き続けるためには、“良いチーム”をつくることが非常に大切です。「社内の協力体制を整えたい」「コミュニケーションを円滑にしたい」など、チームに関するさまざまな課題への向き合い方をお伝えします。

ご興味がありましたら、ぜひお読みいただけますと幸いです。

 

“良いチーム”とは

会社として何か新しい行動を起こすとき、チーム内でいざこざが起こる、というのはよくあることだと思います。

これは「何をするか」だけに意識が向いてしまい、それを担うチームがまとまっていない・チームの意識が揃っていないことが原因かもしれません。チームがスムーズに走り出すために、まずは“良いチーム”をつくる必要があるのです。

それでは、“良いチーム”とは、具体的にどんな集団のことを指すのでしょうか。

●思ったことを素直に言い合えている(心理的安全性が確保されている)
●一人ひとりが持つ力や経験を活かせている
●メンバー同士が一つの目標に向かって協力し合えている
●向上心があり活気に満ちている

このようなチームを理想としている経営者の方も多いはずです。

どんなチームも、はじめから理想的な集団であるとは限りません。チーム内で課題や目標にしっかりと向き合うことで、今あるチームをより良いチームに進化させることができます。

 

 

“良いチーム”をつくるために、やるべきこと

ここでは、より良いチームをつくるためのポイントを3つに絞ってお伝えします。

①自分の思考・行動の癖や、他者との違いを知る

「どうして、あの人はいつも〇〇なんだろう…」
「あの人は何を考えているのか分からない…」
同じ職場で働くメンバーに対して、このような感情を抱いた経験はありませんか?

100人居れば、考え方も100通り。チームとして一つの目標を目指すためには、まず自分の思考や行動の癖、他者との違いを知ることが大切です。

実は、人間の行動のうち約98%は無意識のうちにとっている行動だと言われているのをご存じでしょうか。つまり、私たちが意識的に行動している割合は、わずか2%ほど。しかし、自分自身の特徴に目を向けることで意識できる割合が増え、少しずつ自分の意識や行動をコントロールできるようになります。

また、自分を理解するのと同時に、他者への理解を深めることも大切です。お互いの考え方や行動の癖を知り、自分と相手の違いを受け入れ合う。そうすることで、コミュニケーションを円滑にし、チームのより良い関係性が出来上がっていくのです。

②社内のベクトルを合わせ、共通言語を見える化

どんな職場やチームでも、そこにいる全員が同じ想い・同じ目的で働いているとは限りません。

誰もがそれぞれの想いを抱き、自分なりの価値観を持っている。そのことを認めた上で、社員一丸となって協力体制を築き上げていくには、社内のベクトルを合わせる必要があります。

働く上で大切にしていることや、やるべきこと・やらないこと、自社の魅力や存在意義。一人ひとりが抱いている想いをすり合わせながら、チームの方向性を定めていきます。

●ミッション(信念):会社の存在理由
●ビジョン(未来像):目指したい姿・理想の会社・叶えたい社会
●バリュー(価値):提供できる価値
●行動指針:社員・チームの価値観

これらの共通認識を持つことで、チームの一体感が高まり、仕事に取り組む姿勢やチームの協力意識・帰属意識などが向上します。

③チームの課題にみんなで向き合い、一丸となって取り組む

①②で挙げた、相互理解や共通言語化、課題の見える化。いずれも自分ひとりではなく、チーム全員で取り組むことに大きな意味があります。

自分自身や会社の現状に向き合い、言葉にすることは、とてもハードルの高いことでもあります。一人で取り組もうとしてもなかなか客観的な視点で考えられず、上手くいかないことも多いはずです。

だからこそ、チームのみんなで声を出してそれぞれの価値観を伝え合い、お互いがお互いに関心を寄せ、現状と課題・未来に向き合う。そうすることで、自分や他者の想いを冷静に捉えることができ、チームへの想いもより強固なものになっていきます。

これらの取り組みは、自社内のメンバーだけではなく第三者にファシリテートしてもらうこともおすすめです。第三者が介入することで内側からは見えないことや、つい見て見ぬ振りをしてしまいがちなことに向き合うきっかけも生まれます。「みんなが気になっているものの、お互いに気を遣いあって何も言えない」という部分に目を向けるきっかけにもなるのです。

 

 

ウェルビーイングに働き続けるために

世の中にはたくさんの企業があり、その組織体制はさまざまです。

しかし、「やるべきことにきちんと取り組み、それを必要とする人に提供し、報酬を得る」その仕組みはどの企業も同じ。そして、そこには必ずチームの一員として頑張る「人」がいます。

チームは「人」がいて成り立っている。それは当たり前のことでありながら、どうしても見失われがちなことでもあります。

「“会社”に雇われている」という漠然とした認識のもとで働くよりも、「みんなで仕事をつくりあげている」と考えられるようになると、「みんなで課題に向き合っていきたい」「自分もより良くありたい」という意識に変わってくるはずです。

お互いの強み・弱みを認め合うこと。チーム全員で向き合い、目指す未来への認識を共有し、共通言語化すること。これによりコミュニケーション基盤が整い、一人ひとりが本来の力を最大限に発揮できるようになります。

どうしても、会社側は「業務を効率化するにはどうすれば良いか」「生産性を上げるには何をすべきか」と考えてしまいがちです。しかし、まずは働く人にとってより良いチーム・環境を整えることで、自ずと業務改善が実現していきます。

つまり、良いチームづくりがウェルビーイングな働き方を叶え、ウェルビーイングな働き方が会社の目標を叶えていくのです。

今回はここまでとなります。次回は、インナーブランディングの事例を通してより良いチームづくりのポイントをさらに深掘ります。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

関本 大輔(せきもと だいすけ)

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

 

【関連リンク】
株式会社アドハウスパブリック

【ブランディングコラム #1】
人と企業が自分らしく輝く “ウェルビーイングな社会”へ|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)

 

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