【ブランディングコラム #4】その人らしさを認め合うことからはじまる“心理的安全性”|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)
こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。
このコラムでは、昨今注目されている「ウェルビーイング」について、「ブランディング」の観点からビジネスや人材育成に役立つ情報をお届けしています。
今回は、ウェルビーイングな職場づくりと密接に関わる「心理的安全性」についてお伝えしたいと思います。ご興味がありましたら、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
「心理的安全性」のある環境とは
ウェルビーイングな働き方の原点とも言える「心理的安全性」。私自身の経験からしても、良い仕事をしている会社では、一人ひとりが自分の思いを喋りやすい環境ができているなと思います。心理的安全性が保たれた“自分らしくいられる場所”をつくるには何をすべきか。今回はそのポイントをお話ししていきます。
一人ひとりが思いを喋りやすい環境とは、どんな環境でしょうか。
まずは、自分の意見に耳を傾けてくれる場所。自分らしく発信して良い、自由に考えを表明して良いという安心感がある場所だと思います。自由に発信して、自由に討論できる。自分らしさが活かせる。年齢や役職に関係なく、誰もが喋りやすい場所です。
そして、そういう場所をつくるには、その人らしさに目を向けることが大切だと思います。誰しも良いところと悪いところ、できることとできないことがあって、人それぞれの考え方を持っている。それをお互いに認識し合う、仲間として認め合うことが、喋りやすい社風や居場所につながっていくわけです。
この前提がないと、ウェルビーイングな働き方も従業員エンゲージメントも、その先に進みません。「ちょっと苦手だな」と思う部分があったとしても、良いところにも目を向け、人として嫌いにならない。否定をしない。意外と難しいことかもしれませんが、実はとても大切な考え方です。
優秀なチームに共通する“3つの特徴”
実は、とある研究結果で「優秀なチームには3つの特徴がある」ということが分かっています。特徴の1つ目は、共通の目標と使命があること。2つ目は、できる・できないをサポートし合うこと。3つ目は、自由に話し合うこと。この3つが、世界で結果を出しているチームに共通している特徴なのだそうです。
ここにも、人を認めるという考え方が前提にあります。どんなチームも、完璧な人だけの集まりではないはずです。だからこそ、お互いのできること・できないことを分かっていて、そのサポートをし合えることがチームのパフォーマンスを上げるのです。
人は、環境によってパフォーマンスが大きく変わります。誰でも時にはイライラしたり、悲しいことがあったり、ダメだなぁと思う日もある。だけど、環境が良いと頑張れますよね。みんな頑張っているし、自分もやらなきゃなって思える。そういう空気感は、やっぱり人間関係から始まるものだと思います。
心理的安全性って、結局のところ人間関係のあり方だと思います。安心できる心のあり方。世の中の職場の多くは「あいつはこれができていない」と評価したり、否定し合っている。そんな環境では、自分の能力をフルで発揮できないはず。相手を否定してばかりではダメなのです。
会社として上司が部下を評価するにあたって、本来評価するべきところは、成果とパフォーマンスだと私は思います。つまり、チームの成果とパフォーマンスを一番出しやすい状態にすることが上司の役目。そのためにも、日ごろからの信頼関係が大切なのです。
本当のウェルビーイングな働き方とは相互理解のもとに成り立つものであって、上から下に対する指示や評価だけでは成り立たない。そこを忘れてはいけないと思います。
その人なりの“映える場所”を見つける
心理的安全性が保たれていると、会社が「これをやって欲しい」と伝えたことに対して「それを実現するにはこうした方がいいですね」と、目的を実現するためのやり方を一緒に考えられる環境になります。
やはり、上司として役目を与えるだけでは、なかなか上手くいかないものです。役目を一方的に与えるのではなく、話し合いながら進めていく。そういう日頃からの正直なコミュニケーションが、言いたいことが言える関係性、そして一緒に良い未来を目指そうとする関係性につながっていきます。
もちろん、組織によって人と人との関係性はさまざまです。しかし、どんな状況でも大事なのは、その人の良いところに目を向けること。どんな人にもその人なりの素敵なところが必ずあります。それを仕事で活かせる場所を見つけ、活躍してもらえるように働きかけること。そして、相手にもその場所で努力してもらうことです。どんな人にも、必ず“映える場所”がありますから。
今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関本 大輔(せきもと だいすけ)
株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。
お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。
米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。
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